8年前、長男が生後6カ月だったときの話です。当時、私はスーパーや商業施設の駐車場で利用できる「優先駐車区画利用証」を持っていました。ある日、長男と出かけた際に優先駐車区画に車を停め、長男をベビーシートから降ろそうとしていると、見知らぬ女性が嫌味たっぷりに絡んできて……?
見ず知らずの人と駐車場トラブルに
私が住む地域では、妊娠中から産後1年6カ月まで利用できる「優先駐車区画利用証」が配布されます。優先駐車区画とは、配慮が必要な方のための駐車場です。スーパーや商業施設などの建物の近くに設置されていることが多く、一般的な駐車場より幅が広い傾向があります。
当時の私の車は、車幅が大きく、スライドドアでもありませんでした。そのため、子どもをベビーシートから降ろす際に、ドアが隣の車にぶつからないよう注意が必要です。そこで、優先駐車区画が空いているときは、ありがたく活用させてもらっていました。
ある日、生後6カ月の長男と一緒に近所の商業施設に出かけました。優先駐車区画がガラガラだったので、停めることに。後部座席のドアを開け、ベビーシートから長男を降ろそうとしていると、50代くらいの女性2人組が私に声をかけてきました。
「ねぇ、誰の許可があってそこに停めているの?」「若いくせにラクしようとしていい気なものよね」と矢継ぎ早に嫌味を言われます。どうやら、足腰が元気な若い私が優先駐車区画を利用しているのが、気に食わない様子です。
私は車のルームミラーにかけていた利用証を手に取り、女性たちに見せながら「子どもが小さいうちは、市から利用の許可がおりているんです」と冷静に説明します。それでも「それ偽物なんじゃない?」「私たちは膝が痛くても遠くに停めなきゃならないのに、何を考えているのかしら」と聞く耳を持ちません。もちろん偽物ではなく、プラスチック製で簡単に作れるものでもありません。
イライラを抑えながらしばらく穏やかな対応に努めましたが、女性たちのあまりにも理不尽な主張が続き、ついに怒りが頂点に達します。私は、毅然とした態度で「そこまでおっしゃるなら、今すぐ市役所か警察に問い合わせの電話をかけますね。どちらが正しいか確認してもらいます」とスマホを取り出し、電話番号を調べて見せました。
さらに、ちょうどそこへ通りがかった男性が「その必要はありませんよ。私が確認します」と割って入りました。男性は身分証を提示し、「私は市役所のこども家庭課で、まさにその利用証の発行管理を担当している者です。その番号と形式は、間違いなく本市が発行した正規のものです」と断言しました。私の態度の異変と市役所職員さんの加勢によって、女性たちは急に縮こまります。「な、なによ、急に怖いわね!」「私たちが悪いみたいじゃないの、嫌だわ~」と、捨て台詞を吐きながら、そそくさと店内に入っていきました。
尻尾を巻いて逃げるような姿に少しすっきりしたものの、最後まで自分たちの意見を正当化する言い草をされて買い物気分は台無し。市役所職員さんにお礼を言うと、「たまたまお昼休憩だったもので。お役に立ててよかった」とさわやかに去っていきました。
もちろん、許可がないにもかかわらず優先駐車区画を利用するのは好ましくありません。しかし、見た目で判断して、「無断で利用している」と決めつけて攻撃するのもよくないと思います。マナーと配慮を忘れずに、制度は常識の範囲内でありがたく利用したいと思った出来事でした。
著者:中村仁香/40代・自営業。マイペースな8歳の息子と気が強い4歳の娘、夫婦の4人家族。ほぼワンオペ育児に奮闘中。ストレス解消のために、夕飯を作りながらのビールがやめられない。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)

