
「すっげー、ブス」。エレベーターのすれ違いざま、知らない男性から投げられた言葉だ。14歳で二重整形をし、社会人になってからもほうれい線やシミ、イボなどを除去。「かわいい」と言われるための努力を続けてきたのに、どうしてなのか。うみの韻花(@umino_otoka)さんの実体験を漫画化したコミックエッセイ『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』を紹介するとともに、本作を通して伝えたい思いを作者のうみのさんに聞いた。



■総額700万円以上。果てしない「理想」への渇望と整形の沼
成長期に容姿を否定された経験は、心に大きなしこりを残すことがある。うみのさんもその1人だ。美容外科医だった父親からの「今はブスだが、将来は美人になる」という言葉が呪縛となり、14歳で初めて二重整形を経験した。その後、見知らぬ男性から浴びせられた暴言をきっかけに2度目の施術へ。さらに交際相手から「胸がない」と指摘されたことで豊胸手術にも踏み切った。いじればいじるほど理想の顔から遠ざかるような、整形の沼にはまっていったという。
目、鼻、輪郭、胸など、これまでにかかった費用は総額700万円以上。うみのさんは本作を描いたきっかけについて、「モラハラの彼と別れたことをきっかけに、人生をやり直そうと一念発起し、幼いころからの夢だった漫画家を目指しました。整形をテーマにしたエッセイならリアルで目を引くのではないかと考え、誰かに批判されたとしても、ありのままの体験を描こうと決めました」と振り返る。
■「醜い」という葛藤を乗り越え、整形は自分を好きになるための証に
漫画の中では、整形後も交際相手に容姿を否定されるつらい描写がある。「整形しても自分をかわいく思えない」という苦悩について、うみのさんは外見に執着するあまり心が歪んでしまった当時の自分を、客観的に恐怖や異常性を感じさせる姿として描いたという。「つらかった記憶を呼び起こし、泣きながら描いたこともありました」と明かす。
それでも、整形をしたこと自体は後悔していないと語る。「鼻の整形では左右差ができてしまい気になっている部分もありますが、整形前のコンプレックスは解消され、自分に自信を持てるようになりました」とうみのさん。胸を張って歩けるようになり、「かわいい」「きれい」と言ってくれる人もいる。「心を病んでしまうことは何度もありましたが、その経験を経て、少しずつ自分で自分を認めてあげられるようになりました。整形は『自分を好きになるために勇気を出した証』であり、人生の勲章だと思っています」と力強く語った。
取材協力:うみの韻花(@umino_otoka)
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