結婚後初めて、夫の実家に帰省したときのことです。夕食の席で出された料理の中に、どうしても正体がわからない一皿がありました。恐る恐る義母に尋ねると、返ってきた言葉に私は言葉を失ってしまったのです……。
義実家の定番料理を見て固まったワケ
夕食の席には手の込んだ料理がたくさん並んでいて、どれもおいしそうでした。ただ、その中に一皿だけ見慣れないものがあったのです。
茶色い見た目で、正体が全くわかりません。恐る恐る義母に「これは何ですか?」と聞いてみると、「うちでは定番の珍味よ」とのこと。なんと、その正体はイナゴの佃煮でした。
子どものころから虫系の食べ物が本当に苦手だった私は、内心かなり動揺してしまいました。「えっ、これを食べるの……?」と、お皿を前に固まってしまったのを覚えています。でも周りを見ると、みんな当たり前のように食べていて、夫も「懐かしいなぁ」とパクパク口に運んでいるのです。
場の空気を壊したくないという気持ちと、自分の正直な気持ちのあいだで少し迷いました。それでも、せっかく出してもらった料理だしと思い、「少しだけ挑戦してみます」と義母に伝えて、思い切って一口だけ食べてみることに。
見た目のインパクトとは裏腹に、味は甘辛くて意外と食べやすく、自分でもびっくりしました。「あれ、思っていたよりずっと普通だ」というのが正直な感想です。とはいえ、やっぱり慣れるまでは勇気がいるもので、その日はどうしても一匹が限界でした。
抵抗があることを軽く笑いながら話したら、義母も「無理しなくていいよ」と笑ってくれて、本当にほっとしました。その後も無理に勧められることはなく、ありがたかったです。
育った環境が違えば、当たり前に食卓に並ぶものも違うのだなと、改めて感じた一日でした。文化や食の違いに戸惑いはしたものの、自分の気持ちも正直に伝えながら、その場の雰囲気も大切にできたのは、自分にとって小さな自信になった気がします。これも家族になっていくということなのかもしれない。今ではあの日のことを、少し懐かしい気持ちで思い出しています。
著者:山崎恵美/30代女性/小学生の娘の母。お笑い番組を見ることが息抜き
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)

