「光線過敏症の治療法」はご存じですか?外出する際の注意点も医師が解説!

「光線過敏症の治療法」はご存じですか?外出する際の注意点も医師が解説!

日の光に当たると顔や手に発疹が出たり、湿布を貼っている箇所がかぶれたりしたことはありませんか。

単に薬剤が肌や身体と合わない場合もありますが、日の光に当たることで症状が出る場合、光線過敏症かもしれません。

光線過敏症とは特定の薬剤が日の光、すなわち紫外線と反応することでかぶれ・発疹・水ぶくれなどの症状が起こることをいいます。

1度光線過敏症にかかってしまうと、治ることは容易ではなく決して軽視できない症状です。今回は光線過敏症の検査・治療まで、詳しく解説いたします。

※この記事はメディカルドックにて『「光線過敏症」の原因・予防法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

光線過敏症の受診と治療

診察中の医師

何科を受診すれば良いでしょうか?

光線過敏症は衣類などに覆われていない部位の皮膚に症状があらわれるため、まずは皮膚科の受診をおすすめいたします。
様子をみていても症状が改善されるとは限らないので、早めに医療機関で受診しましょう。皮膚科の中でもさまざまな検査を取り扱っている皮膚科専門医へ行くとよいでしょう。

光線過敏症はどのような検査で診断されますか?

まず光線が原因かどうかを調べるため、内服照射試験や光パッチテストを行います。
次に太陽光には紫外線のほかにもさまざまな波長の光が存在しているため、どの波長の光が原因になっているのかを調べます。その中でも地表に届き、皮膚に影響を及ぼすUVA波とUVB波の照射試験を行っていくのです。UVA波では照射後48〜72時間、UVB波では24時間後の皮膚を観察し診断を行います。
成人の方は薬剤に関する原因が多いので、該当する物質を用いたテストも行っていきます。このようにさまざまな方向から検査を行い、光線過敏症かどうか、そして確実な原因を掴んでいくのです。

治し方を教えてください。

第一として原因薬剤を中断することが大切です。薬物療法としては抗アレルギー薬・副腎皮質ホルモン外用薬・免疫抑制薬などを用いて治療を進めます。
ただし、原疾患治療のために原因薬剤を中止することが難しい場合は、室内をしっかり遮光しましょう。そして外出する際は日傘・帽子・肌の露出を避ける・日焼け止めの使用などの方法で、薬剤の継続的な投与が可能な場合もあります。

編集部まとめ

手に浮かぶハート
1度光線過敏症にかかってしまうと、改善はなかなか難しいものです。

痒みやかぶれが起こっている状態は単なるものではなく、原因物質が引き起こす光線過敏症かもしれません。

疑わしいと感じたらまずは皮膚科専門医にて、しっかり検査を行いましょう。

そして光線過敏症を引き起こさないためにも薬剤は正しく使用し、日頃から紫外線対策を行い予防をしていきましょう。

参考文献

光アレルギーの発症機序と対策

ポルフィリン症(指定難病254)(難病情報センター)

Q5 皮膚にはどんな症状がありますか?(日本皮膚学会)

配信元: Medical DOC

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