
2024年4月期放送の「イップス」(フジテレビ系)が、FODで配信中だ。篠原涼子とバカリズムのダブル主演作で、“書けなくなった”ミステリー作家と“解けなくなった”エリート刑事の“絶不調バディ”が絶妙な会話術と掛け合いで事件を解決するミステリーコメディー。コミカルタッチでありながら、細やかな心理描写でうならせるシーンも目立つオリジナルストーリーが魅力の本作から、主演2人の小気味よい掛け合いが痛快な第1話を紹介しよう。(以下、ネタバレが含まれます)
■心の葛藤で「できていたことができなくなってしまう」状態に陥った2人が出会う
タイトルにもなっている“イップス”とは、心の葛藤により筋肉や神経細胞、脳細胞にまで影響を及ぼし“できていたことができなくなってしまう”心理的症状のこと。
ミステリー作家の黒羽ミコ(篠原)と、警視庁捜査一課刑事の森野徹(バカリズム)は、“イップス”という同じ悩みを抱えていた。そんな絶不調な2人が仕事から逃避するために訪れていたサウナ施設で偶然出会い、殺人事件に遭遇することであれよあれよとバディを組むことになっていく。
■染谷将太が演じる人権派弁護士の弟はミコが心配で…
第1話初回拡大スペシャルは「電撃ウィッチの魔法」。ミコはデビュー作から3作連続でベストセラーを記録するも、ネタ切れでもう5年もの間新作が書けずに思い悩む。一方で、持ち前の会話術と洞察力を武器に情報番組のコメンテーター業やコラム執筆をこなしていたが、そのせいで本業がさらに片手間になっていた。
5年前に出した小説はSNS上で「トリックがダサい」と叩かれ、コメンテーター業の方も「なんにでも首つっこむんじゃねえ」と叩かれており、イライラが募る日々を送っている。ミコの弟で人権派弁護士として知られる慧(染谷将太)は、そんな姉のことが心配でならない。
■トリンドル玲奈が演じる人気熱波師に殺人の容疑が!?
一方の森野は、かつてはエリートとして組織内でも一目置かれる存在ながら、ある出来事をきっかけに事件を解けなくなっていた。実はミコの作品の大ファンだったが、最新作の完成度が低く、コメンテーター業ばかりで新作を出さないミコに苛立ちを募らせ、“ノモリ”なるアカウントで「トリックがダサい」とSNSに書き込むなどアンチ化していた。
そんなミコと森野が、元アイドルという経歴を持つ人気熱波師・電撃ウィッチ麻尋(トリンドル玲奈)がプロデュースするサウナ施設で出会う。ところがその施設で、反社組織に所属する竹内渉(山口大地)の死体が見つかる。ミコが「生の死体見るの初めて」とテンションが上がるなか、森野は事件に遭遇したことでイップスの症状が出てしまう。ミコは麻尋が犯人ではないかと疑い始める。
新作の書けない小説家と、事件を解けない刑事が殺人事件の現場で出くわすことから始まる物語。殺人が起きているのに不謹慎ともいえるほどにワクワクしている様子のミコも、初対面なのにミコのファンだったということから大きな態度で持論をまくしたてる森野も、どこかかわいらしく憎めないキャラクターだ。
本当はすごい才能を持っているのに、“イップス”状態であるために能力を発揮できない状態にある2人がどんな形で力を合わせていくのか、はたまたぶつかり合ってしまうのか、楽しく想像しながら見られるドラマである。

