
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「ビッコミ」に掲載中の『藤野と給食』(小学館刊)を紹介する。作者の鬼井イモリさんが、3月28日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5.9万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、『大怪獣!アカリちゃん』(小学館刊)の作者としても知られる鬼井イモリさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■大おかずに入った幼虫を調べる藤野くん

給食の“大おかず”に虫が入っていた藤野くん。呟いたところ、隣のクラスメイトが大声で先生に伝え、教室内は一気に大騒ぎに。先生は、急いで藤野くんの元へ行き虫を確認した上で、全員に大おかずは食べないように注意した。
みんなが大騒ぎしているなか、藤野くんは何の幼虫だったのか調べ「フジハムシの幼虫ですたぶん」と言ったところクラスメイトから「変わってんな〜〜!」と言われてしまう。給食に虫が入った経緯を自分なりに推測した藤野くんは、給食員さんの元へ向かい…。
本作を読んだ人たちからは、「小学生の頃の思い出が蘇った」「読み終わったあと優しい気持ちになった」「考察力がすごい」「研究者っぽい思考回路」など、多くのコメントが寄せられている。
■作者・鬼井イモリさん「このお話のこだわりポイントをあえて挙げるとすれば、小学校で小学生が年相応にのびのびと暮らしているところ」

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
小学校時代あるあるだった出来事を、自分なりに「こういう結末だったらいいな」と妄想したのがきっかけです。
――本作では、“藤野くんはちょっと変わった子”という印象でしたが、結末ではその印象が180度変わりました。本作のこだわりポイントや注目してほしい箇所がありましたらお教えください。
本作主人公の藤野くんは、「こういう子が肯定される世界であってほしい」という鬼井のエゴから生まれました。特に「印象を変えよう」思って描いたわけではなく、みんなが気づかないだけでこの子はずっとこうだった、今回初めて人(相原さん)の目に触れたというだけのお話でした。このお話のこだわりポイントをあえて挙げるとすれば、小学校で小学生が年相応にのびのびと暮らしているところです。「虫汁」という小学生が言いそうなワードも気に入ってます。
――本作のメインキャラクター藤野くんと相原さんのプロフィールや秘話についてお教えください。
2人とも特にこれといったプロフィールは無いですが、藤野くんに関しては多分母親も同じように研究熱心かつ理性的な人間なんだろうな、と思っています。眼鏡も同じ種類のものでしょうね。
相原さんに関しては、最初もっとイジワルな女の子にするつもりでした。女子グループのリーダーみたいな、背が高くて目付きが鋭くて、気に入らないモノ全てに「キモい」と吐き捨ててしまうような。ですがそのままだとお話が暗くなってしまうのと、なんとなく自分の描くキャラっぽくないなと思ってしまったため今の真っ直ぐで優しい女の子に落ち着きました。きっと年の離れた弟がいて、他人の面倒見に慣れているんだろうなと思います。
――鬼井イモリさんの作品は、優しい人や心が綺麗な人が多く登場しているように感じます。お話を考える上で、大事にしていることやテーマがありましたらお教えください。
ありがとうございます!そう感じていただけて嬉しい限りです。自分自身、「優しい人間」や「心が綺麗な人間」を意識して描こうとしたことはなく、ただ「真っ直ぐであれ」と思いながら描いています。その結果、善意が暴走したり勘違いして人を困らせたりいろいろ事件が起こってしまうこともありますが、ただそいつが真っ直ぐに「ありがとう」や「ごめんね」を言える人間であるかどうかはずっとこだわり続けています。「ありがとう」と真っ直ぐ言えるヤツに、カッコ悪い人間なんていませんから!!
――今後挑戦してみたいジャンルやテーマがありましたらお教えください。
「なんかいい話ばっか描く作家」と思われたくないので、グロかったりキツかったり人が沢山死んだりする話とかも描いてみたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
『藤野と給食』を読んでくださりありがとうございました!今後も沢山描く予定なので楽しみにしててください。

