出産目前、私は産婦人科の病室のベッドで陣痛間隔が短くなるのを待っていました。しかし、陣痛室に行くほどの間隔じゃないと思い、痛みに耐えていると、いきなりおなかの中から強烈なひと蹴りが!その瞬間、「バシャン」と勢いよく破水してナースコールを押したのですが……。
医師のひと言で深夜の分娩室が騒然!
すぐに助産師さんが来てくれて子宮口の確認をしてもらいましたが、まだ余裕はあるものの陣痛室に移動することになりました。何とか陣痛室についてベッドに横たわり陣痛の強さを測る器具をつけている最中、私は我慢できずにいきみ始めてしまいました。「えっ?」と驚いた表情の助産師さんが慌てて子宮口を測り直すと、すでに全開で移動時間で一気に開いたようでした。そのままドタバタと分娩室に案内されると私より前に陣痛室で待機している妊婦さんの分娩に備えて、夜間にも関わらずお医者様はすでに待機中でした。
分娩室に入ってきた先生が「やっと全開になったんだ」と言うと、「別の方です!」と助産師さんが! 前の妊婦さんだと勘違いしていた先生は驚いていました! そんなハプニングが起こった中で私の出産が始まりました。助産師さんに「いきんでいいよ」と言われた瞬間、いきみ逃しは無理だった私は思いっきりいきみすっぽーんと、子どもが産まれてきました。病室から分娩まで、30分のあっという間の出来事でした。
◇ ◇ ◇
出産後、私より前に陣痛室に入っていた妊婦さんがいて、出産後に部屋を移動すると、私より前に陣痛室に入っていた妊婦さんはまだ出産していませんでした。出産までの時間は本当に人それぞれなんだなと思いました。私のように短い時間で生まれるような人もいるので、早めにナースコールをすることは大事だと思いました。
著者:田中ひろか/40代女性・会社員/7歳育児中のシングルマザー。現在は平日工場勤務で土曜日はバイト。
イラスト:miyuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
監修者:助産師 関根直子筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。

