犯人を追うことが、自分の人生そのものになってしまった真(岡田将生)。
その執念は正義感だけでは説明できない。
時間が経っても消えない怒り、誰にも理解されない孤独、そして「法で終わらなかった苦しみ」が彼を静かに蝕み続けている。
そんな真の前に現れたのが、秦野小夜子(渡辺真起子)という存在。
秦野小夜子と向き合う時だけ、真は刑事という仮面を少しずつ外しているようだった。
そして真のどこか“救われたような顔”が印象的に脳裏に焼きついている。

彼は両親を殺害した犯人を見つけるためだけに警察官になった人物。
少年が目を輝かせながら「将来の夢は警察官のようなヒーローになることです」と語るのとは訳が違うのだ。
日常会話のように何気なく語られた「まともに生きていたら刑事になっていない」という真の言葉は、彼が彼の人生を歩んでいない象徴的なセリフとも言えよう。
その心の隙に入り込んだのが、小夜子の“感情の共有”である。
「正論は何の解決にもならない」
この小夜子の言葉は、真が長年閉じ込めてきた感情を解放する引き金だったように思える。
小夜子は、真の内側に閉じ込められていた怒りや孤独を静かに引きずり出していた。ただ慰めるのではなく「苦しみ続ける遺族」の感情を共有することで、真がずっと押し殺してきた本音を浮かび上がらせていたのだ。
被害者遺族にとって、小夜子が痛みに寄り添う“救い”のような存在なのは確か。
しかしその悲しみや怒りの共有が、復讐へ向けさせてしまう危うさも持っているのだ。
小夜子は真の救いでありながら、その最も脆く危険な部分にも触れているのである。
「人を救うはずの言葉が、人を壊す道標にもなりうる」
これが小夜子という人物の恐ろしさであり、同時に強烈な魅力でもあるのだろう……。
彼女は「完全悪」と言えるのか?

この答えは、次回の第7話を見て慎重に判断したいと考えている。
理解されることは、人を救う。
その通りだと思う。
しかし時に、それは人が押し殺してきた感情を解放してしまうことでもあるのだと私は感じた。
果たして真は「復讐心」に飲み込まれてしまうのか……。
皮肉なことに、彼が”警察官でいられるか”にかかっているかもしれない。
選択肢に警察官しかなかった少年が、警察官である自分に誇りを持つ日が来ることを期待している。
第7話は、真から目が離せない。
実は小池が裏で動いていた? 稔の「まずいことになった」の全貌を解説します!
ではここからは、考察面の話をする。
正直、考察的な観点で言うと、縦軸である「田鎖夫婦殺害事件」は、現代の事件に押され気味といったところだろうか。
ただ現代の事件が、この31年前の事件と関係性がありそうな不気味な雰囲気を醸し出し続けているのが、この作品の求心力が落ちない秘密なのだろう。
第6話の中心は「津田(飯尾和樹)の取材ノート」の所在。
このノートが31年前の田鎖夫婦殺害事件の真相に近づく一手になると田鎖兄弟は考え、ノートを所持してる可能性の高い五十嵐組へのガサ入れを目論む展開であった。
そんな中で描かれた稔(染谷将太)の「まずいことになった」というメール。これは一体、何を意味するのか……?
私は「ガサ入れが失敗に終わった」という意味だと考察する。つまりは、五十嵐組を摘発できず、ノートも入手できなかったということだ。
となると怪しいのは、警部補の小池(岸谷五朗)だろう。

彼が裏で五十嵐組と繋がっており、ガサ入れの情報を流していたのでは?
だから五十嵐組を摘発できなかった。
過去の記事でも触れているが、小池が「改造銃の密輸」を裏で手引きしている説を推しているため、その事実が明るみでないように、小池が裏で手を回したと私は考えている。
第6話で特に目立った面のなかった小池だが、実は目立たないように暗躍していたという予想だ。
別の説として、辛島ふみ(仙道敦子)が津田のノートを隠し持っている可能性もある。
生前の津田が、辛島ふみに接触していたことから、辛島金属工場の罪を隠すためにノートを買い取ったのかもしれない。
そうなれば、辛島ふみの協力者に「茂木家」が浮上する。
第6話で明かされた辛島家と茂木家の歪な関係性を見ると、津田のノートは辛島ふみの指示で「もっちゃん」が隠し持ってる可能性も否めない。
もっちゃんは、田鎖兄弟を大切に思う気持ちに偽りはないが、過去の恩義(借金の肩代わり? )によって辛島家に頭が上がらない状況とも予想する。
この辺りの詳しい考察は、我々の考察動画を見てほしい。そこで辛島ふみの“耳打ちの内容”まで触れている。
6969bの動画はこちらから
いずれにせよ、津田の取材ノートの内容が物語を大きく動かすのは間違いないだろう。
そのためにも、真が警察官として正当に真実を追求し、新たな自分として“自分の人生”を歩むきっかけを掴んでほしいと私は願っている。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
TBSテレビ『田鎖ブラザーズ』( 毎週金曜夜10時~)
出演:岡田将生、染谷将太、中条あやみ、井川遥、山中崇、宮近海斗、岸谷五朗
脚本:渡辺啓
音楽:富貴晴美
主題歌:森山直太朗『愛々』(ユニバーサル ミュージック)
演出:山本剛義、坂上卓哉、川口結
撮影監督:宗賢次郎
プロデュース:新井順子
編成:高柳健人、吉藤芽衣
著者:ペチ
イメージイラスト:サク

