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「見えないはずのものが見えるって、ロマンがある」穂志もえか映画『Never After Dark』主演インタビュー

「見えないはずのものが見えるって、ロマンがある」穂志もえか映画『Never After Dark』主演インタビュー

Jホラー(日本のホラー作品)って、湿っぽくて、じわじわくる心理的な恐怖がハリウッドのホラー作品とは一線を画していると、海外でも高く評価されているそうです。


 


映画『Never After Dark/ネバーアフターダーク』はまさにその風合いもありつつ、ホラー好きにはたまらないオマージュの数々、流麗なカメラワーク、キャストの好演と見どころ満載。しかも企画・製作はSIGNAL181(Netflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」(24)でNetflix週間グローバルトップ10(非英語シリーズ部門)第1位、世界92カ国でトップ10入りを果たすなど、一大ブームを巻き起こした俳優・プロデューサー:賀来賢人×監督:デイヴ・ボイルの黄金コンビが設立した映像製作会社)で、彼らの劇場映画第一作目となると、これはチェックしておかねばなりません。さらに主演は、今やドラマ『SHOGUN 将軍』などでの活躍で各界から熱い視線を注がれている穂志もえかさん。でも本作って、『SHOGUN 将軍』の受賞ラッシュの前にいち早くオファーされていたんですって! そんな先見の明があるSIGNAL181との製作過程について、ホラー作品について、穂志さんにお話を伺ってきました。聞き手は映画ライターのよしひろまさみちさんです。



 

『Never After Dark/ネバーアフターダーク』
story 霊媒師の一族出身の愛里(穂志もえか)は、ある屋敷の除霊依頼を受けて現場へ。霊を目撃したという禎子(木村多江)と、そんな彼女には懐疑的な息子・群治(賀来賢人)をよそに送り出し、仕事を始めるのだが……。
監督・脚本:デイヴ・ボイル/出演:穂志もえか、稲垣来泉、賀来賢人、吉岡睦雄、正名僕蔵、木村多江/配給:TOHO NEXT/公開:6月5日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次ロードショー
© 2025 Signal181, Inc. All rights reserved.

――すごい役でしたね。作品も怖いだけじゃなくて、エモさもあって。出演が決まったきっかけからうかがえますか?


穂志 じつはこの作品のお話をうかがったのは、私が事務所に所属していない、フリーランスの時期だったんですよ。


――え? どうやってオファーが?


穂志 メールです。賀来賢人さんのマネージャーです、っていうすごくていねいなメールに、この作品の企画書がついていまして。


――脚本はまだだったんですね。


穂志 そうです。簡単なプロットとイメージするキャスティングが書かれていたんです。企画書からすごくおもしろかったので、まずはざっくばらんにお話をしましょう、というお誘いを受けて、ミーティングにうかがいました。


――キャスティングのイメージには穂志さんがすでに?


穂志 ええ。どーんと写真が。それで本当にびっくりしちゃいまして。度胸あるなー、って(笑)。それと共に、私でいいのかな、とも思いました。

――賀来賢人さんが本当に面白いものを作ろうと立ち上げた製作会社(SIGNAL181)の劇場用長編第一弾作品。先方の気合いは伝わりますね。


穂志 いえ。それがちょっと不安というか、私で大丈夫かな、と思ったところで。というのも、商業映画の企画なので、賀来さんに正直に「私だとあまりお客さん呼べないと思いますけど大丈夫ですか?」ってうかがったんですよ。すると、賀来さんは「ほんとにそこは全く心配しなくていいです。僕たちは面白い脚本と、本当に素晴らしいキャスト、スタッフを集めることで、世界に通じる作品を作れることを証明したいから」と言ってくださったんですよ。


――骨太……。すごい決意。正しいですけど。


穂志 それでもう、これはついてくしかない、と思って決めたんです。彼らの覚悟と思いの強さに惹かれたんですね。ほら、私は、日本でお客さんをたくさん呼べるバリューがあるキャスト、というタイプではないと思っているので、クリエイティビティの力を信じている人たちといっしょに作品を作れると思ったら、なんだかすごくうれしくて。そのミーティングは先方も私も納得して終わりました。

――脚本はそのあとでできあがったんですね。


穂志 たしか撮影に入る10カ月くらい前に届いたと思います。それを読んだ上で、脚本と監督を務めたデイヴ(・ボイル)にこの作品で伝えたいこと、そもそもこの映画を作りたいと思ったきっかけや、キャラクターの生い立ちについてもメールで質問し、やりとりを重ねました。世界観をちゃんと理解しないと、私も観る人も置いてけぼりになるかもな、と思ったので衣装合わせや本読みでも世界観や人物像を掴もうとしつつ、都度都度ディスカッションをしながら撮影に挑めたのは本当にありがたかったです。


――参考にして、と言われたような作品ってありました?


穂志 ピーター・メダック監督の『チェンジリング』(80)、『赤い影』(73)、『永遠のこどもたち』(07) でした。どれも観たことがない作品だったので、楽しく拝見しましたし、『永遠の〜』は観たいと思っていた作品だったので親近感ありましたね。古い映画には特有の力強さがありましたし、本作の根っこにあるものの参考になったのかな、と思います。撮影に入ってからもデイヴがリファレンスとして取り入れているシーンがあったりしたんですが、そのときも「あの感じにしたい」といってくれたときに、すぐにヴィジョンを共有できたんですよね。すごく便利。私が演じた愛里にこれらのリファレンスが役に立つとは、撮影前には思いつかなかったことだったので、ちょっと驚きましたけど。


――この3本はホラーやスリラーという感じでもないですもんね。


穂志 そうなんですよ。あからさまに怖がらせるような作品じゃないですし、登場人物も突出した能力があるという設定でもないし。日常の人間関係のなかで、ふと恐ろしいことが起こってしまう、というテイストですから。愛里も仕事として霊媒師をやっているけど、だからといって日常的におかしい人ではなくて、世の中を普通に生きる女性でもある。世界観や設定は理解しつつも、霊媒師の仕事中以外は「普通の生活感」は意識していたかも。それをデイヴも面白がってくれてましたね。

――現場で困ったことありました?


穂志 いくつかあったんですが、それほど苦しむことはなかったんですよ。たとえば、何度か再現する芝居ができなくて、前後が繋がらない可能性があったんですが、それですらデイヴは「面白いね。また違うのが出てくるかもしれないから、もう一回いい?」なんていって、私の芝居の特性を面白がってくれたことで、自由にできました。また、事前のディスカッションをたくさんできたこともあって、現場では本当にスムーズだったんですよ。愛里や作品の設定を細かく聞いていましたし、現場で迷ったことがあったとしても、聞いたらすぐに返ってくる。デイヴの作り上げていたイメージがあまりにも緻密だったので、「こういう世界がある」って自分でも信じられるくらいに作り込んでくれてました。それに、最初のミーティングで「穂志さんがいいです!」って言ってくれたことで、私はじゃあ堂々と芝居をすればいいんだ、って思えたんですよね。作品の入口にあった言葉が最大の助けになったと思ってます。


――撮影中は重苦しいことが多かったでしょうけど、なにか思い出に残ることはありました?


穂志 いろいろあったんですが、あるシーンから登場する謎の男役を演じた吉岡睦雄さんがとにかく面白くて。彼、とにかく毎日を愉快に変換する能力を持っているんですよ。この作品の撮影は夜が多かったんですが、そうするとけっこうきついんですよね。でも吉岡さんは「ヨーロッパにロケに来ていて、時差ボケで眠いだけって思うと楽ですし、ワクワクしません?」って(笑)。そんなことさらっと言えるの、素敵じゃないですか。彼のユニークさにはみんなが虜になってましたね。

――見えないものが見えている愛里という役への共感は?


穂志 霊媒師一族の育ちとか、お姉さんを小さいころに亡くしているとか、生い立ちは複雑なんですが、表出しているものは意外とシンプルな女性なんですよね。泣いたり怒ったり感情も豊かで、そこは共感できました。ただ、霊が見えるっていう経験は私にはない力で、そういう経験もぜんぜんないので、どういう感じだろうとは思いましたね。なんなら、自分も見えたらいいな、って思ってるところもありますから。


――怖くはないですか?


穂志 怖いかもしれないですが、ロマンがありますよね。普段見えない世界があることを知っていて、信じられるって素敵ですから。


――もし見えるなら、どうしたいですか?


穂志 亡くなった家族が、今どんな思いを持っているのか、とか知りたいですね。本来だったらもう聞くことはできない方に、聞きたいときに聞けるって、すごい特権。うらやましいですね。

――愛里はいつもお姉さんと話していますし、それによって影響受けることもありますものね。


穂志 そうそう。あれってすごくいいですよね。孤独じゃないって思えますもん。


――こういう感じの作品だとよくあることですが、現場で怪現象は?


穂志 なかったですよ(笑)。ロケに使わせていただいたお屋敷は、すごく立派なんですけど、ずっと平和な雰囲気で。私が観てないだけかもしれないんですが、特に何も起きなかったんだと思います。つまらないかな(笑)


――いえいえ(笑)。起きてもらっても困るんで(じゃ、聞くなよ)。最後に穂志さんのキャリアについておうかがいしたいんですが。


穂志 私のキャリア、行き当たりばったりでしかないんですよ。


――マジですか?


穂志 ええ。


――行き当たりばったりで『SHOGUN 将軍』はないかと(笑)。


穂志 『SHOGUN〜』は結果がすごくよかったんですけど始まる前はどうなるかなんて誰もわかりませんでしたもの。そういう意味で言うとラッキーが重なっていると思ってます。


――てっきり計画的にキャリアメイクしてるものかと。


穂志 いえ、ぜんぜん。ただ、決断するときはスパッと速いです。自分の直感は大事にしているタイプですね。もちろん直感だけではダメなことはあるので、悩むことも多々ありますが、居心地のよさとか話の合致とか。ファーストインプレッションで得た直感は大事だなと思ってます。

――わかる……。最初に話し合わない人って永遠に合わないですよね。


穂志 そうなんですよ。結果的にはずっとかみあわないんですよね。でも、初めて会ったのにすぐに打ち解けたり、考えを共有できたりすると、長く続くお付き合いになっている傾向があります。


――キャリアメイクに悩んでいる人にアドバイスいただけます?


穂志 助言になるかどうか分かりませんが、私の身近なお話を。大学の同級生が最近美大に入ったんですよ。30代を迎えるにあたり、社会の一般的な常識にとらわれずに自分が幸せなのは何なのか、ワクワクするのはどこなのか、ってことを考えたうえでの決断。何か興味があることを始めるのに、年齢は関係ないからできるときに挑戦するべきだってことを、彼女から教えてもらった気がします。

『Never After Dark/ネバーアフターダーク』
監督・脚本:デイヴ・ボイル/出演:穂志もえか、稲垣来泉、賀来賢人、吉岡睦雄、正名僕蔵、木村多江/配給:TOHO NEXT/公開:6月5日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次ロードショー
© 2025 Signal181, Inc. All rights reserved.

Interview & text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Hair & Make-up_AIKO TOKASHIKI
Styling_ERI TAKAYAMA

ドレス¥30,800、(コトハヨコザワ/オン・トーキョー ショールーム)、ヴィンテージのリング¥8,690(フィズ)

オン・トーキョー ショールーム 03-6427-1640
フィズ 03-5306-6552

提供元

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オトナミューズウェブ

「37歳、輝く季節が始まる!」がキャッチコピー。宝島社が発行する毎月28日発売のファッション誌『otona MUSE』がお届けする、大人のためのファッション・ビューティ・ライフスタイル情報!