βカロテンの多い野菜とは?メディカルドック監修医がβカロテンの多い野菜・種類・一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
「βカロテン」とは?

植物性食品に多く含まれる脂溶性色素、カロテノイドの一種で、レチノールと同様の活性を持つプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)です。プロビタミンAは体内でビタミンAに変換されます。β-カロテンは、体がビタミンAを必要としない時にはビタミンAには変換されず、そのまま主に脂肪細胞に貯蔵されるか、もしくは排泄されます。プロビタミンAの作用の他に、抗酸化作用があり、体内の活性酸素を減らす効果も期待できます。
βカロテンの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準(2025年版)には、βカロテンとしての摂取量については特に定められていません。ビタミンAの推奨量に、レチノール活性当量として算出され含まれています。
〈ビタミンA〉
成人男性の推奨量
18~29歳850µgRAE/日
30~64歳900µgRAE/日
65~74歳850µgRAE/日
成人女性の推奨量
18~29歳650µgRAE/日
30~74歳700µgRAE/日
※妊婦の付加量:+80µgRAE/日(胎児へのビタミンAの移行蓄積量を付加)
授乳婦の付加量:+450µgRAE/日(母乳中に分泌される量を付加)
また、ビタミンAとして耐容上限量が定められていますが、プロビタミンAであるβカロテンなどのカロテノイドについては、通常の食品からの摂取による過剰障害は報告されていないため、耐容上限量の算出には含まれていません。
ただし、サプリメントなどによって高用量のβカロテンを摂取した場合、皮膚が黄色くなる「カロテン血症」が起こることがあります。また、喫煙者においては高用量のβカロテン摂取が肺がんのリスクを高める可能性が示された研究もあるため、摂取源や量には注意が必要です。過剰摂取を避けるためにも、基本的には食品からの摂取を心がけましょう。

