
「ラブストーリーで胸キュンするのもいいけど、強くてたくましく生きる女性の物語が見たい!」という方にオススメしたいのが、10月27日(月)よりCS衛星劇場で放送開始となるドラマ「于氏王后」(毎週月曜夜11:00より2話連続放送。全8話)だ。本記事では、同作品の魅力や注目キャスト陣の裏話などをたっぷりご紹介する。
■自らの生存を賭けて新たな王を立てるべく孤軍奮闘する王妃の24時間の物語
本ドラマは、高句麗が舞台の宮廷アクション時代劇。史実がベースにはなっているが、フィクションである。夫である高句麗の第9代王・国川王ことコ・ナンム(チ・チャンウク)が暗殺され、世継ぎがおらず誰1人味方が居なくなった王妃、ウ・ヒ(チョン・ジョンソ)が王位を狙うナンムの兄弟たちや権力を握ろうとする5つの部族から身を守る唯一の方法は、24時間以内に新たな王を立てること。生存を賭けて、危険もいとわず孤軍奮闘する彼女の24時間が過去の出来事の回想も交えて全8話で描かれる。制作費は、何と300億ウォン(約30億円)。費用を惜しげもなく投じた序盤の戦闘シーンは、映画さながらの迫力で圧巻だ。
■時代劇初挑戦のチョン・ジョンソが苦労した点は?
ウ・ヒは、領土を守る為に戦地で死闘を繰り広げている王の代わりに、圧倒的なカリスマを発揮して城を守る王妃。野望に満ち、戦略にも長け、男ならば最高の策士として王の右腕になったと言われる人物だ。そんなウ・ヒ役には、「バレリーナ」(NetFlix)でも殺された親友の復讐のために壮絶な戦いに挑んだ元・警備員を演じたチョン・ジョンソ。彼女にとって今作が初の時代劇となるが、出演を決めた理由は、「父の遺言」だった。彼女の父親が、生前に「この作品には絶対出なさい」と告げ、それを守ったとの事だ。
初の時代劇で苦労したのは、セリフのトーンだったそう。彼女が普段演じる際の、ゆっくりした余裕を感じさせる話し方でいこう、と準備をして撮影に臨んだが、「私だけが、まるでハリウッド映画の現場で中国語を話す人のようでした。全く違う言語を話している感じがして、大変なことになったと思いました」と製作発表で回想している。そして、「(時代劇の言い回しについて)当時の人々がその言葉遣いだったのか、その後に作られて作品で使うようになった口調なのかも気になり、先輩たちにアドバイスを求めました。そして、“時代劇のトーン”と私の言葉遣い、その中間を探さなければ、と思い、うまく調整していこうとしました」と、時代劇の難しさを痛感したことを語っていた。
また、あるシーンの撮影中に、自分以外の俳優が全員男性だと気付き、ウ・ヒは男性の中で孤軍奮闘している女性なのだと体感したんだそう。ウ・ヒがどんな女性だったのかについて、その時からさらに真剣に悩んで役作りをしたそうだ。
ウ・ヒの、常に気高く凛とした雰囲気、鎧をまとい弓を引いて戦う大胆さ、悩みや苦しみを押し殺して強くあろうとする姿は、とにかくカッコ良くて惚れ惚れするので、是非注目してほしい。


■残虐さとロマンス…二面性の魅力が爆発のチ・チャンウク
そして、コ・ナンムを演じるのは、チ・チャンウク。時代劇への出演は、彼の人気を決定づけた「奇皇后」以来となる。物語序盤で殺されてしまい、その後は回想シーンで登場する、“特別出演”という位置付けだが、少ない出番でも全てのシーンで強烈な存在感を放っている。戦闘シーンでは、目を背けたくなるほどの残虐さで返り血を浴びながら容赦なく敵を殺していく様は、最近「最悪の悪」(ディズニープラス)や映画「リボルバー」などで演じたいくつものダークな役の中でもズバ抜けた恐怖感を与えている。
だが、ウ・ヒと過ごすシーンでは打って変わって穏やかな表情になり、彼女を心から愛しそうに見つめて熱いキスをかわす。官能的なラブシーンは、ため息が出るほどウットリ。“キス職人”とも呼ばれる彼の真骨頂だ。そんな彼の魅力の二面性を堪能できる、まさにファンにとっては「一粒で二度おいしい」役回りだ。
チ・チャンウクは、本作の撮影がドラマ「サムダルリへようこそ」と重なっていたが、役柄に魅力を感じて「是非やりたい!」と請けたそう。彼にとって、出番の分量は関係ない。常に新たな姿を見せたいという想いが出演の決め手となっているのだ。今作でヒゲを付けているが、初めての経験で、ヒゲ面の自分の姿が面白く、何枚もセルフィ―を撮ったそう。

■脇を固める個性的で豪華なキャスト陣にも注目
本作で彼らを取り巻くキャスト陣も、個性的で豪華。優れた洞察力で農民出身でありながら高句麗の国相になり、王に信頼されて活躍するが、心の中には解消されない欲望を隠し持っているウル・パソ役には、映画「犯罪都市 PUNISHMENT」で女性ファンが急増したキム・ムヨル。とてつもなく残虐な暴君として悪名高く、ナンムの死後、王位への欲望をむき出しにするナンムの弟の第3王子、コ・バルギ役には、日本版「ごめん、愛してる」(TBS系)にも出演していたイ・スヒョク。ウ・ヒの姉だが彼女に王后の座を奪われ、大侍女としてウ・ヒに仕えているがナンムを諦められずにある計画を実行してしまうウ・スン役には、ドラマ「ジャスティス-検法男女-」シリーズのチョン・ユミ。そして、ナンムの兄で太子の座を廃位された第1皇子、コ・ペウィ役は本作が遺作となったソン・ジェリムが演じている。
フィクションと言えども、激動の時代だったことは事実。周りのほとんどが敵の中で1人立ち向かうウ・ヒの24時間を、ハラハラドキドキしながら見守ってほしい。

■チ・チャンウクの名作ドラマやバラエティも放送
衛星劇場では、この「于氏王后」初放送を記念して、チ・チャンウクの除隊後復帰作である2019年のドラマ「僕を溶かしてくれ」も10月24日(金)よりアンコール一挙放送(毎週月曜から金曜、朝6:15より。全16話)。この作品は、“冷凍人間”の実験の被験者となった男女が、20年後に目覚めたことから起きるラブロマンス。大きく変わってしまった世の中に戸惑い、空白の20年間の出来事を知り苦悩する彼ら。そして、それぞれの当時の恋人も登場して複雑な多角関係に発展していく様子も描かれる。ロマンスに加えてサスペンス要素もあり、見ごたえいっぱいの内容となっている。
そして、スターとの“1日デート”を通して、素顔に迫る「韓流スタージャックS」の“チ・チャンウク編 前編・後編”も放送される(10月12日[日]朝8:15ほか)。
◆文=鳥居美保

