
仲野太賀が主演を務める大河ドラマ「豊臣兄弟!」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第20話が5月24日に放送され、織田信長(小栗旬)に死罪を宣告された藤吉郎(池松壮亮)と、兄を助けようと奔走する小一郎(仲野)が、謀反を起こした松永久秀(竹中直人)へ決死の交渉に臨む緊迫の展開が描かれた。(※以下、ストーリーのネタバレを含みます)
■命に背いた藤吉郎…信長から冷酷に死罪を宣告される
上杉攻めにおいて、合理的な策を提言する藤吉郎と、それを信じられない柴田勝家(山口馬木也)。意見は対立し、藤吉郎は独断で戦線を離脱してしまう。さらに、その後の戦いは織田軍の大敗に終わり、信長の怒りは収まらない。
再び命令に背いたことに激昂した信長が下したのは、まさかの「死罪」の宣告。必死に許しを請う藤吉郎を、信長は冷酷に蹴飛ばすのだった。

■兄を助けるため奔走する小一郎…しかし家臣たちは協力を拒む
処罰までの間、蟄居(ちっきょ)となった藤吉郎。小一郎は兄を救うため、家臣たちに助命嘆願への協力を頼んで回るが、みなそれぞれの事情や思惑を抱えており、首を縦に振ってはくれない。
明智光秀(要潤)も、兄弟の境遇に同情を寄せつつも、「この胸の奥に公方様をお救いできなかった悔やみがいまだに小さな火種としてくすぶっている。上様もお見通しのはずじゃ」と申し訳なさそうに断るのだった。

■寧々&慶が見せた“妻の意地”…大量に集まる親族たちの血判
死を覚悟した藤吉郎は、最後に妻・寧々(浜辺美波)と養女・豪姫に会いたかったと涙を流す。そこへついに信長からの呼び出しがかかり、肩を落として歩く藤吉郎の前に、寧々が姿を現す。幻かと思いながらも涙を流す藤吉郎。
そして、信長が最終的な命を下そうとした瞬間、小一郎がずらりと並んだ血判状を差し出す。それは寧々や小一郎の妻・慶(吉岡里帆)たちが親族や家臣たちを集め、信長への忠誠を誓ったものだった。彼女たちは自ら刀に指をあて、血を絞りながら、藤吉郎の命を救おうとしたのだ。

■松永久秀、2度目の謀反…藤吉郎の生死は「平蜘蛛」に託される
血判状を前にしても心動かされない信長だったが、「この者たちの願いが…あるいは天運を呼び寄せたか、運が良かったのう、サルども。松永がまた裏切りおった」と突然の報告。
信長が兄弟に命じたのは、松永久秀の調略だった。「わしの知る限り、あやつが最も心許しておるのはお前らじゃ。松永を説き伏せ、再びわしのもとにひざまずかせよ。ただし、ただでは許さぬ。あやつの持つ茶器の中で最も価値のある『平蜘蛛(ひらぐも)』を差し出させよ。それができればおまえのこたびの失態は目をつぶってやる」という条件を突きつけられ、藤吉郎は辛うじて命拾いをする。

■藤吉郎&小一郎、久秀に必死の交渉 そこで明らかになる久秀の信念
織田信忠(小関裕太)を総大将とする織田軍は、久秀が籠城する信貴山城を取り囲む。すぐさま攻撃を仕掛けたい信忠らだったが、「平蜘蛛」と一緒に自害される可能性があるため手出しができない。
そんな中、兄弟は久秀のもとへ命を懸けた最後の交渉に出向く。「平蜘蛛を差し出せば、謀反は不問に処す」という信長からの条件にも耳を貸さない久秀。彼が再び謀反を起こしたのは、これまで大切にしてきた大和の地を筒井順慶(永沼伊久也)に移されたためであった。
大和に異常な執着を見せる久秀に理由を問う兄弟だが、「この地には膨大な金銀財宝が眠っており、その絵図も手に入っているから」と、どこか戯言とも思える言葉を並べる。しかし、自身の出自を問われると、静かに語り始めた。仏像などの贋作を創る名人だった父のこと。側女との間に生まれた自分は「卑賎の子」だと蔑まれていたこと。いつか本物になって周囲を見返してやりたいと願ったこと。そして、“本物の父”と慕う三好長慶から初めて任された歴史ある地が大和であると明かし、「この大和を収めることがこのわしが本物であることの証じゃ。ゆえに断じて大和は誰にも渡したくないのじゃ」と訴える久秀。この出自の話さえどこか嘘のようにはぐらかす久秀だったが、小一郎はその言葉を信じることを誓う。
そして藤吉郎は、信長は本当は久秀を死なせたくないと願い、「許す理由」こそが「平蜘蛛」なのだと語りかける。

■久秀が挑んだ賭けの行方は…差し出された2つの「平蜘蛛」
兄弟の言葉に心が動いた久秀は、目の前に2つの「平蜘蛛」を提示する。そして、「わしと勝負をしよう。お前たちに誠を見極める目があるかどうか試させてもらう。もし万が一、見事本物を見抜くことができたらわしの負けじゃ。お前たちの言う通り無様に生きる道を選ぼう。ただし、もし見抜けなければお前たちの首を取り、信長に送り返す」と、無理難題を課した。
全く見当がつかない兄弟だったが、その時、小一郎が閃き、片方の茶器を掴んで床に投げ割ろうとする。咄嗟にそれを止める久秀。小一郎の機転に、久秀は思わず笑い声を上げ、負けを認めた。
「ここまで松永殿と話して思うたのです。偽りもいずれ真になると。松永殿は本物でござりまする!」という小一郎の言葉に驚いた久秀は、「お前たちこそ本物じゃ。本物の大バカ者じゃ!」と、呆れたように言い放つのだった。

■久秀、突然の爆死…偽りばかりの世との決別へ
家臣たちを先に織田軍の元へ行かせ、自らは支度をすると言って去っていった久秀。すると突然、奥の部屋から大爆発が起きる。兄弟が駆けつけると、そこには炎の中で狂気の表情を浮かべる久秀の姿があった。
「まこと人がいいのう、お前たちは。すべて偽りじゃ!戦、戦、戦、戦のこの世には、もう飽きた!先に逝って待っていると信長めに伝えよ」と不敵に笑う久秀。
そして、必死に呼び止める兄弟に、久秀は衝撃の事実を伝える。なんと、「平蜘蛛」は2つとも偽物であり、本物の平蜘蛛はついに手に入らなかったのだという。先ほど小一郎に壊されるのを阻止した贋作は、自身の父が作ったものだと打ち明けた。
「何が本物で何か偽物かなどそんなものはどうでもいい。お前らもせいぜい苦しめ。うまく信長を欺くんじゃぞ。まがい物を嬉しそうに愛でる信長の間抜けな姿をあの世からとくと楽しませてもらうわ!」と叫んだ久秀は、さらなる大爆発の炎の中に消えて行った。

■藤吉郎は死罪を逃れる 明らかになった信長の本当の目論み
偽物の「平蜘蛛」を持ち帰った兄弟は、事の顛末を正直に信長へ報告する。すると信長は驚く様子もなく、「ではこれはおまえらにくれてやるわ」と言い放つ。そして久秀との交渉役を果たしたことを認め、藤吉郎は無事に死罪を逃れた。
不思議に思う小一郎は、信長は最初から久秀が本物を持っていないことを知っていたのではないかと推測する。そして、藤吉郎にすぐ処罰を下さなかったのは、大切な家臣を許すきっかけを作るために、久秀が謀反を起こすのを待っていたのではないか、と信長の真意に辿り着く。
持ち帰った偽の「平蜘蛛」の中からは、大和に眠る金銀財宝の絵地図が出てきた。それが本物なのかは分からないが、「いつかわしらで確かめよう」と未来を夢見る羽柴兄弟。
一方そのころ、信長は屋敷で本物の「平蜘蛛」を一人愛でているのだった。

■松永久秀の独特なキャラクターを惜しむ視聴者 信長の目論見に「完全に騙された」と衝撃走る
命が懸かっているという緊迫した状況の中、久秀が嘘か本当か分からない話を続ける展開に、SNS上では「シリアスなシーンの中に笑いがあって、感情が忙しかった!」「久秀さんは兄弟とのやり取りを楽しんでいたね(笑)」「ただ自滅していくのではなく、兄弟との明るい場面があってよかった」「竹中さんにしかできない演技」と、その独特なキャラクター性を惜しむ声が集まった。
また、ラストで実は信長が最初から本物を持っていたという衝撃の事実が明かされると、「信長は2人が正直に話すかを見ていたのか…」「『許すきっかけを探していた』という小一郎の言葉に、思わずうるっときた」「完全に騙された!信長様恐るべし」といった驚きのコメントが相次いだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


