頸動脈狭窄症と診断された場合、症状の有無や狭窄の程度に応じて治療方針が決まります。この記事では、血栓の形成を防ぐ薬物療法の役割と、狭窄が高度な場合に検討される外科的治療の2つの方法について解説します。それぞれの特徴を理解したうえで、担当医と治療方針を相談する際の参考にしていただけます。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。
脳梗塞の予兆を感じたら:治療の選択肢と流れ
頸動脈狭窄症の診断を受けた場合、どのような治療が行われるのでしょうか。症状の有無や狭窄の程度によって、治療の方針は異なります。
薬物療法:血液をサラサラにして血栓を防ぐ
頸動脈狭窄症の治療の基本は、動脈硬化のリスクとなる生活習慣病を管理しながら、血栓の形成を防ぐ薬物療法です。抗血小板薬(血小板が集まって血栓ができるのを防ぐ薬)が、血栓形成のリスクを下げるために主に用いられます。また、コレステロールを下げるスタチン系薬剤は、プラークの安定化に寄与するとされています。
薬物療法は、狭窄の程度が比較的軽度の場合や、症状がない場合に選択されることが多いです。ただし、薬だけで狭窄そのものを解消することはできないため、定期的な画像検査で血管の状態を継続的にモニタリングすることが並行して行われます。
外科的治療:狭窄を物理的に解消する方法
狭窄が高度(一般的には内腔の50〜70%以上が狭くなった状態)で、症状がある場合や再発リスクが高いと判断された場合は、外科的治療が検討されることがあります。代表的な方法としては、以下の2つが挙げられます。
・頸動脈内膜剥離術(CEA:Carotid Endarterectomy):首を切開してプラークを直接取り除く手術
・頸動脈ステント留置術(CAS:Carotid Artery Stenting):カテーテルを用いて血管内にステント(金属の筒)を挿入し、狭窄部を広げる方法
どちらの方法を選択するかは、患者さんの年齢・全身状態・狭窄の部位や形態などを踏まえて医師が判断します。それぞれに利点と注意点があるため、担当医と十分に相談しながら治療方針を決めることが大切です。
まとめ
頸動脈狭窄症は、一時的なめまいや手足のしびれといった予兆を見逃さないことが、脳梗塞の予防において鍵となります。頸動脈エコー検査は、身体への負担が少なく、血管の状態を詳しく確認できる有用な検査です。生活習慣病をお持ちの方や、気になる症状を感じている方は、早めに神経内科や脳神経外科への相談を検討してみてください。ご自身の血管の状態を知ることが、健康な日常を守る第一歩となります。
参考文献
日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2025」
国立循環器病研究センター「脳卒中」
厚生労働省「脳梗塞・くも膜下出血・心筋梗塞・不整脈など」
厚生労働省 e-ヘルスネット「動脈硬化」
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