
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は取材や体験による“実話怪談”を描いたホラー漫画『水ムーちゃんねる 隣の晩怖談』の作者・水村友哉さんに注目し、同作のエピソード「みつけたモノ」をご紹介しよう。
同作は、オカルト系YouTuberであるナナフシギ・大赤見ノヴさんの体験談を前編と後編に分けて描いた一作。以前水村さんのX(旧Twitter)に後編が投稿されると、2000件以上の「いいね」が寄せられている。そこで作者の水村さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
■開けてはいけない襖を開けた先には…

2007年10月都内某所、若手芸人として活動していた大赤見さんは、当時の遠距離恋愛をしていた彼女と自宅で晩御飯を食べていた。その際に「たまにはこっちに来ない?」「お母さんもノヴくんに会いたがっててさ」と彼女の方から打診される。
そして、後日、休日に高速バスで彼女の実家に向かう大赤見さん。実家に到着すると、早速キッチン付きの広い和室である彼女の部屋に案内される。さらに襖を見つけた大赤見さんは「ここの部屋はー?」と勝手に開けようとしたところ、「あー!ダメダメ!」と彼女に止められ…。読者からは「まさかのラストでゾクッとした」「話がリアルで余計に怖い」などの声が上がっていた。
■もともとオカルト系YouTuber「ナナフシギ」のファンだった作者の水村友哉さん

――『水ムーちゃんねる 隣の晩怖談』の「みつけたモノ」を描くに至った経緯を教えてください。
もともと僕はオカルトYouTuber「ナナフシギ」のファンなのですが、なかでも大赤見ノヴさんの体験談はどれも怖く印象的で、特にこのお話は以前からぜひ描いてみたいと思っていました。そこで実際にお会いして、直接ご本人からお話をお聞きし、描かせていただきました。
前編・後編の二部構成にした理由は、時間軸が複雑だったことと、どちらの話にも強いインパクトがあったためです。担当編集さんとも相談し、このような構成となりました。
――「みつけたモノ」(後編)を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
後編では、ノヴさんご本人が“彼女の母親に呪われている”という、まさかの展開が語られます。そのため、母親の不気味さや怖さ、そして前編へと繋がるカットを、漫画ならではの演出で表現しました。また現在進行形の怪談でもあるので、読後に余韻が残るよう心がけました。
――「みつけたモノ」(後編)で、特に気に入っているシーンやセリフは?理由も教えてください。
母親の「気をつけて帰ってね」という一言は、自分自身で描いていても嫌な、変な気持ちになるところですね。また、作中の心霊写真や最後のシーンは、漫画ならではの表現力を活かして、しっかり読者に恐怖が伝わるよう工夫しました。
――読者へメッセージをお願いします。
いつも読んでくださっている皆さん、そして貴重な体験談を送ってくださる皆さん、本当にありがとうございます。連載をここまで続けてこられたのは、ひとえに皆さんのおかげです。
僕自身が実話怪談が好きだったことで始まった『水ムーちゃんねる 隣の晩怖談』は、実際に怪異体験をされた方と向き合いながら、「不思議で怖い話は本当にあるんだ」と伝えていくことを目的に描いています。いつでも手に取っていただけるよう、本棚に置いていただけたら嬉しいです。いろいろな方の“思い”や“念”が詰まっている漫画はそうそうないと思いますので(笑)。
また、コミックス2巻収録の「路線の腐敗臭」以外のエピソードには、こっそりと“隠れた怪異”を加筆しています。まるで心霊写真のように潜む異変を見つけるのも楽しみのひとつかもしれません。もし見つけたら、“ナニカ”とチューニングが合っているのかもしれませんのでお気をつけを……。
最新6巻も発売中です! 体験談はいつでも募集中ですので、「こんな話、漫画にならないかな?」と思わず、どしどしご応募ください。これからも皆さんと一緒に“リアルな怪異”を描いていきたいと思っています!


