『見せない・悟らせない』干し方の具体策
洗濯物の基本は『見せないこと』と『生活パターンを悟らせないこと』。以下のような日常のちょっとした工夫で、リスクは大きく下げられます。
・下着は屋内干しが原則:外に出すなら必ず衣類の内側に隠す。下着単体で見える状況はもっとも危険。
・時間に変化をつける:毎日同じ時間に干す、取り込むことは犯人に生活リズムを読ませる最大の原因。可能な範囲で『干す時間』『取り込む時間』をずらす工夫を。
・家族構成の『見せかけ』を作る:一人暮らしの家であれば、男性物のシャツやタオルを混ぜて干すことで、心理的抑止につながることも。
・低階層アパートは特に注意:1〜2階のベランダは死角になりやすい。人目がないなら屋内干しを優先。
・つきまとわれていないかをチェック:帰宅途中やSNSの発信など異変がないかをチェックする。一方的な好意を寄せた犯人が下着泥棒をはたらく可能性もあるため、違和感があれば早めに警察に相談を。
・取り込みは早めに:洗濯物を長時間放置すると『在宅パターン』を示すことになるため、帰宅してからすぐ取り込む習慣をつける。特に夜間の干しっぱなしは注意。
これらは特別な防犯グッズを買う必要もなく、普段の干し方を少し変えるだけでできる対策です。
※写真はイメージ
洗濯物の干し方は、何気ない家事のようでいて『生活情報』を外に出す行動です。
どんな人が住んでいるのか、どんな時間に行動しているのか…。その小さなサインが、思わぬ形で犯罪者に利用されることがあります。
防犯の基本は『見せない』『悟らせない』。少しの意識と工夫で、被害を防ぐ確率は間違いなく上がります。
今日の洗濯物を干すその一瞬から、防犯を意識してみてください。
記事執筆 りょうせい
元警察官。警察歴10年。
交番勤務を経て、生活安全課の捜査員として勤務。
行方不明やDVなどの「人身関連事案」を対応しつつ、防犯の広報・企画業務を兼務。
現在は警察の経験を生かし、Xや音声配信(StandFM)にて、防犯情報を発信中。
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[文・構成/りょうせい]

