
学生の頃から漫画を描くことが好きだった猫原のし(@nyan_boku)さんは、X(旧Twitter) などのSNSを中心に漫画を公開している。
2023年11月には「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」を投稿。現実世界で疲れ切った大人たちが登場し、あるものと出会い色のある世界を取り戻していくというエピソードだ。SNSでは5話まで公開(2026年5月10日時点)され、元カノを引きずる男性が登場する第2話は3.7万いいねを獲得している。本作が誕生した経緯や裏話などについて、猫原のしさんにインタビューした。
■色のない世界に来たあなた、しろにゃんにおまかせあれ



世界が色を失ったように感じる瞬間は、一生の間に誰にでも訪れるかもしれない。そんなときにそっと寄り添う作品が、本作「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」だ。作者・猫原のしさんは、コロナ禍のさなかに本作の第1話を描き始めた。当時行動制限が続いて不安や孤独を抱える人も多いなか、猫原さん自身も出産と育児の最中にあり、「優しい色を届けたい」という思いが制作の原点になったという。
作中では、日常に疲れた女性や、大切な人を失った男性など、“心の色”を見失った人々が描かれる。猫原さん自身も「大切なものの喪失は、世界がモノクロに感じるきっかけになる」と振り返り、その実感が作品の根底に流れている。特に印象的なのは、妻を亡くした夫が登場するエピソードだ。思い出の中でさえ色を感じられなくなった彼が、ラストで見せる変化については「現実の解釈は読者に委ねたい」と語りつつも、記憶の中に色が戻る描写に希望をにじませる。
物語の案内役となる“しろにゃん”たちも魅力の1つだ。もともと描いていた白猫キャラクターを発展させ、「複数いた方がかわいい」と3匹に増やしたという。無表情ながらもどこか感情豊かな姿と、2.5頭身というフォルムが作品にユーモアを添えている。
猫原さんは、「さらにエピソードや色彩シロップの話も描きたい」と今後について意欲を見せる。日常に少し疲れたとき、ふと手に取りたくなるような優しい物語は、これからも静かに広がっていきそうだ。
取材協力:猫原のし(@nyan_boku)
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