今回は、小田急小田原線からおすすめ店をピックアップする。世界初のラーメンでのミシュラン獲得店「Japanese Soba Noodles 蔦」、家系御三家を源流に持つ「ラーメン町田家 本店」といった麺ツウならずとも啜っておきたい珠玉のラーメンが勢ぞろい!
■【新宿】24時間いつでも味わえる!すっきりでもコクのある“東京豚骨ラーメン”「とんこつらーめん 氣華」
ディープな歓楽街・新宿二丁目エリアに店を構える「とんこつらーめん 氣華(きっか)」は、2003年に中目黒でオープンし、新宿に移って19年。飲食店だけでなく、店が入れ替わり続ける激戦区において営業を続ける店だ。その人気の理由は、店主のこだわりから生まれるおいしさはもちろん、24時間年中無休で営業し、時間帯問わず“ラーメン欲”をいつでも満たしてくれること。

看板メニューは九州の豚骨とは異なる“東京豚骨ラーメン”。「辛パクチーラーメン」「高菜ラーメン」など変わり種のメニューまで豊富なラインナップだが、今回は定番人気の「氣華(きっか)ラーメン」を注文。スープや麺が選べるほか、数種類あるトッピングを自由に組み合わせることもできるので、自分好みの一杯が楽しめるというのも人気の理由だ。

ラーメンは豚骨スープをベースに、「醤油」「塩」「味噌」「辛味」4種類の異なる味から選べる。デフォルトの「醤油ラーメン」「塩ラーメン」(各880円)などもあるが、今回は定番で店のイチオシでもある「氣華ラーメン」の「醤油」をセレクト。

店炊きのスープは頭(=カシラ)、ゲンコツ、背ガラの3種類の豚骨をメインに、ショウガなどの香味野菜と一緒に炊く。そしてスープづくりでポイントとなるのが、寸胴で軽く炊いた骨を出し、アクを流す工程を行うこと。店側としては手間のかかるものだが、その後再び寸胴で炊きあげれば、臭みや脂っこさの少ないすっきりとした口当たりにできる重要な工程といえる。
仕上げに厳選した親鳥の鶏油(チーユ)を入れ、よりコクのある味わいに。さらに、鶏油を表面に覆わせることで、蓋の役割を果たし長く熱々の状態をキープしてくれるといううれしい効果も。

「醤油」のカエシとして、醤油ベースに旨味のもととなる乾物類を加えた特製のタレを合わせる。ラーメン全体をキリッとした印象にまとめ、豚骨のコクも十分に引き立ててくれる名脇役となっている。

トッピングには有明海産の上質な海苔が4枚。ほかにも肩ロースチャーシューや味玉、ごま油のドレッシングを和えた白髪ネギがたっぷり入った豪華仕様だ。スープをそのまま味わうのはもちろんのこと、卓上のニンニク、豆板醤、炒りゴマなどの調味料で味変を楽しんでみるのもおすすめ。
■とんこつらーめん 氣華
住所:東京都新宿区新宿2-7-5 松田ビル1階/電話:03-3350-1078/営業時間:24時間/定休日:無休/支払い方法:クレジットカード、交通系IC、現金ほか
■【代々木上原】和洋中が融合した一杯は星付き&殿堂の旨さ!無化調・自家製麺・トリプルスープの3つの柱を重視した「Japanese Soba Noodles 蔦」
ラーメンで世界初、ミシュランガイド一つ星を獲得し、「ラーメンWalker東京版」のランキングでは殿堂入りを果たしている名店「Japanese Soba Noodles 蔦」。2012年東京・巣鴨で開業した同店は「ラーメンの無限の創造性と可能性」をテーマに掲げ、黒トリュフをあしらった斬新なラーメンで評判を集めた。その後、拠点を代々木上原へ。2016年にミシュランガイドに初掲載され、以降4年連続で星に輝いたことで、その知名度は国外にまで広まった。

日本が誇る“UMAMI”(=旨味)の食文化と世界各地の食材を融合させた一杯を味わえる。スープや麺、具材それぞれへの徹底的なこだわりはもちろん、そこへ特製のソースや調味料を組み合わせることで味変の楽しさとともに、さらなるおいしさを追求。創業者・大西祐貴さんの意志を継ぎ、柔軟な発想と大胆な挑戦で唯一無二の一杯を生み出し続けている。

ラーメンは「醤油 soba」と「塩 soba」の2本柱。今回は2杯を一度に楽しめる「極蔦(ごくつた)」と「特製皿」(1000円)のセット「特製極蔦」をオーダー。
丸鶏と鶏ガラ・節系・貝系を合わせたトリプルスープをベースとして使用。「比内地鶏(ひないじどり)」をメインに「天草大王(あまくさだいおう)」といったブランド鶏のコクのなかに、節系には煮干しやサバなどを、貝にはアサリを使い、魚介の風味を加えた深く上品な味わいが魅力だ。

タレに関しても、和歌山県産2年熟成丸大豆醤油や兵庫県産淡口生醤油に赤ワイン、みりん、乾物を加え、店で加熱し仕上げるなど徹底したこだわりが。また、麺は北海道産の小麦粉をメインに5種類を配合した自家製で、メニューごとに異なる麺を合わせている。「醤油 soba」には全粒粉を加え、食感や風味の力強さを、「塩 soba」には餅小麦をプラスし、しなやかでもちっと心地よい食感を重視。
まず、丼の手前のスープをそのまま、次にソース類を溶かして味変しながら楽しむというおすすめの食べ方を提案し、飽きの来ない一杯に。「醤油 soba」にはモリーユ茸とポルチーニのクリームソース、バルサミコトリュフクリームなどがのり、各素材の旨味が溶け出すと濃厚な味わいに一変する。そして「塩 soba」はオリーブパウダー、白インゲン豆とボッタルガのソースがトッピングされ、じわじわと押し寄せる風味が実に特徴的だ。
「特製皿」を加えると、さらに多彩な味変を楽しめるのが斬新。飽きずに食べてほしいという思いとともに、何度も“旨い!”を体感できるのもいい。

ラーメンのトッピングだけでなく、別皿のオードブル「特製皿」とのセットで味わうのもいい。内容は「A5黒毛和牛SUKIYAKI」や「トリュフ香る有精卵の味玉」、調味料の「さわやかな辛味ツタスコチリペッパーソース」「香り高い自家製塩漬け胡椒」といった10種類。それぞれをレンゲに入れてスープに溶くと、スープの印象がガラリと変わり、さらなる味の“物語”が満喫できる。


ラーメンと合わせて堪能してほしいサイドメニューも多く、今回はイチオシの「A5 黒毛和牛 SUKIYAKI TKG」をセレクト。黄金の器に盛られた豪華な一品で、A5ランクの黒毛和牛が眩しいほど輝いている!黒トリュフ入りのサバイヨンソースの濃厚な味わいが堪能できる。お好みで同店特製の「UMAMI醤油」をかければ、より深みのある味わいに。
■Japanese Soba Noodles 蔦
住所:東京都渋谷区西原3-2-4 フロンティア代々木上原地下1階/電話:03-6416-8620/営業時間:11時~15時(LO) ※材料がなくなり次第終了/定休日:火曜/支払い方法:クレジットカード、交通系IC、電子マネー対応
■【経堂】黄金スープにまるっと1匹!炭火焼きの香ばしい鮎を豪快に味わう「炭火焼き あゆラーメン GOTTAKU」
厳選した鮎を丸ごと使った「あゆラーメン」を看板に掲げる「炭火焼き あゆラーメン GOTTAKU(ごったく)」。今回紹介する鮎を使った一杯は珍しさだけでなく、味も確かなもの。経堂エリアの注目店として、ぜひチェックしてほしい一軒だ。


看板メニューの「あゆラーメン」は、なんといっても存在感抜群の鮎が魅力だ。滋賀県琵琶湖で育ったものだけを使用しており、広く流通している川で泳ぐ鮎とは違い、湖育ちで身がふっくらとしているのが特徴。下処理の過程で、骨や唇などの固い部分は取り除かれているので、そのまま豪快にかぶりついてOK!

鮎は「香魚」と呼ばれるほど香りがよいと知られているが、琵琶湖産はよりさわやかで芳醇な香りの一品。炭火で焼くことで香ばしく仕上がり、皮をパリッとした心地よい食感にする効果も。みずみずしさや身のふっくら感を残しつつ焼き上げる、さすが!の技術もフルに発揮されている。
実際に食べてみると食感はもちろん、程よい塩気でさらに引き出された旨味がクセになる。臭みがなく上品な身の甘みが感じられるのもポイントだ。

透き通るほど輝く“黄金スープ”は飲み干せるほど淡麗ながら、深みのある味わい。鶏の胴ガラとモミジ、香味野菜に鮎節を、とろ火のように火力を最大限に抑えた状態で約8時間じっくり煮込み続けることで、上品な素材の旨味が染み出したダシとなる。
スープにサイドメニューの「あゆ正油焼おにぎり」(250円)を投入して、極上の茶漬け風雑炊で余すことなく堪能するのもおすすめ。

■炭火焼き あゆラーメン GOTTAKU(ゴタク)
住所:東京都世田谷区経堂1-21-11/電話:090-4461-9425/営業時間:11時30分~15時、18時~22時(LO21時30分)/定休日:火曜/支払い方法:クレジットカード、PayPay、現金ほか ※クレジットカードはタッチ決済のみ
■【町田】“御三家”から受け継ぐ旨さがここに!家系の名店「ラーメン町田家 本店」
「吉村家」を発祥とし、全国各地で根強い人気を誇る家系ラーメン。関東を中心に約2000店(2025年時点)があるとされ、その店舗数の多さからどのお店がよいのか迷う方も多いはず。そんなときは家系の家系図を参考に、派生もとから受け継ぐ、それぞれの味のこだわりを基準に選んでみるのもおすすめだ。
そして今回紹介したいのが「ラーメン町田家 本店」。「六角家」を源流とする「たかさご家」で腕を磨いた店主が開業した人気店。「六角家」は家系ラーメンの御三家の一つに数えられる老舗であり、「たかさご家」はレジェンドの味を継承した超有名店だ。そんな名店の系譜で本格派の味を受け継ぎ、多くのファンを魅了しているのが「町田家」だ。

「町田家」の本店は1996年に創業し、現在は東京、神奈川に4店舗を展開している。「ラーメン」(並850円)は豚骨の旨味に鶏油のコクを加えたスープに中太麺、チャーシューや海苔、ほうれん草をのせたもの。家系のなかでも、長年愛される伝統的な一杯が味わえる。

スープは豚のゲンコツ、肩骨、背ガラをベースに鶏の胴ガラで動物系のコクをじっくり引き出す。そこにコンブを加えて深みのある味わいに仕上げている。

スープづくりは、寸胴に大量の骨を積み重ね、強火で炊き続ける「たかさご家」で学んだスタイルを踏襲。都度、骨を追加するほか、ポイントとなるのがチャーシューを煮込んだ湯(煮汁)をオーダーごとに減るスープの分や蒸発で減っていく量に応じて加えること。営業中は常に火を入れ続け、さらに湯(煮汁)を入れることで骨から“味を出し続ける”ようにしている。

醤油ベースのタレを合わせ、仕上げの鶏油でコクをプラスしてスープが完成。醤油のキレは程よく、やさしい口当たりだが、あとから押し寄せる豚の濃い旨味に驚かされる一杯。食べ応えはありつつ、マイルドで飽きのこない仕上がりというのも多くのファンに長年愛される所以だ。

麺は“家系といえば”の「酒井製麺」から仕入れる。中太ストレートで噛むごとに小麦の香りが広がり、食感はもっちりと心地よい。一般的な麺と比べると、短めになっているので啜りやすいのもポイント。

ライスとセットで楽しむのが定番のスタイル。スープに浸した海苔やチャーシューといった具材、卓上のすりニンニクや豆板醤を使って好みでアレンジOK。「ライス」の小サイズは平日の18時〜翌3時、土・日・祝日は終日150円とお得になる。また、平日の11時〜18時は「ミニライス」が無料でもらえるので、こちらもぜひ。

■ラーメン町田家 本店
住所:東京都町田市原町田3-7-2/電話:042-727-4766/営業時間:11時~翌3時(LO)/定休日:無休/支払い方法:クレジットカード、交通系IC、現金ほか
■【小田原】厳選カルビとスパイシーなスープのおいしさが溶け込む名物ラーメン「かるびラーメン 小田原ミナカ店」
「かるびラーメン」は、オリジナルの旨辛スープに厳選したカルビをトッピングした独自の一杯で評判を集める人気店。神奈川・小田原に本店、ミナカ店を構え、そして昨年には東京・神田(FC店舗)に進出するなど、小田原発の名物ラーメンの評判はじわじわと広まり始めている。今回は小田原線の終点・小田原駅に直結した複合施設「ミナカ小田原」内にある「かるびラーメン 小田原ミナカ店」へ!


看板メニューは店名を冠した「かるびラーメン」。スープは鶏ガラに、味の決め手となる「旨辛スープ」を加えたもの。鶏のコクのなかに牛肉由来の旨味と脂身の甘味、さらに唐辛子やコチュジャンをブレンドした特製スパイスを合わせることでクセになる“旨辛”な味わいを出す。また仕上げに牛脂を加えて、脂身の甘さを強調するのもポイント。
辛さは5段階から選べ、普通(写真)は見た目の“赤さ”に反して辛さは程よく、動物系スープのおいしさが重視されている。スタンダードな普通から中辛、大辛、激辛、そして最大で覚醒まであるので辛党の方はチャレンジしてみるのもおすすめ。


トッピングの牛肉カルビは、赤身と脂身のバランスを考慮した良質なものを厳選。一度調理を施したあと、「旨辛スープ」で煮込みの工程を加えるのは、ほろほろと柔らかい食感に仕上げるためだ。

中太の玉子麺はもちもち食感で、小麦と玉子の風味が感じられる自慢の品。スープがよく絡み、スパイシーなおいしさを口に運んでくれる名脇役となっている。

■かるびラーメン 小田原ミナカ店
住所:神奈川県小田原市栄町1-1-15 ミナカ小田原フードコート3階/電話:0120-970-677/営業時間:11時~22時(LO21時30分)/定休日:なし ※ミナカ小田原に準ずる/支払い方法:交通系IC、現金
取材・文・撮影/GAKU(のららいと)
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