
織田裕二が初の父親役に挑戦して放送当時話題を呼んだ2013年のドラマ「Oh, My Dad!!」(フジテレビ系)が現在、FODにて順次無料配信中だ。“はた迷惑なダメ父”だった主人公・新海元一(織田)が息子・光太(田中奏生)を連れて厳しい現実に向き合っていく同作、5月26日まで無料配信中の第6話では、元一が光太の親権を巡って妻・紗世子(鈴木杏樹)と向き合うエピソードが描かれている。
■織田裕二“元一”、親権を巡って離婚調停の場に
「Oh, My Dad!!」は2013年の7月期にフジテレビ木曜劇場枠で放送されたドラマ。過去に世間から脚光を浴びた科学者・元一は、研究を続けるもその後18年間、何の成果もなし。家計を支えていた紗世子はついに限界に達して家出し、元一は家賃も払えずアパートを追い出され、光太と2人ホームレス同然の生活を強いられる…。
そんな“どん底”から始まった、元一の奮闘物語。必要最低限の生活力がまったく身についていない元一にとって、過酷で容赦のない日々が描かれていく。脚本は、「大切なことはすべて君が教えてくれた」(2011年)や「きのう何食べた?」(2019年ほか)などで知られ、2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」を手掛ける安達奈緒子によるオリジナルだ。
出ていった紗世子から久しぶりに連絡を受けた元一。もう一度家族3人で暮らしたいという元一の願いも空しく、第6話では彼女から離婚届を突きつけられて家庭裁判所での調停に臨む展開が、そして5月29日(金)まで無料配信中の第7話では、調停により親権を紗世子に渡すことになった元一が、光太と最後の10日間を過ごす様子が描かれている。
■突きつけられた現実「条件が同じなら、親権は母親に行くんです」
自分の研究以外の一切を顧みずに生きてきた元一の後悔と再出発に、ときに憤り、ときにはがゆい思いをしながらも共感せずにいられない本作。その“後悔”がもっとも色濃く感じられるエピソードの一つが、この第6話で描かれる離婚調停シーンだ。
弁護士に「条件が同じなら、親権は母親の紗世子さんに行くんです。小さな子は、自分の気持ちをうまく表せない。でも、おおかたの母親はそれがわかるんですね。光太くんぐらいの年齢の子どもにとって、“察してやれる”母親の存在は大切なんですよ」と現実を突きつけられた元一。さらに家庭裁判所の調査官からも、光太が「欲しいものがあるけど、パパには言えないんだ」と話していたと聞かされ、元一は自分が光太のことを察してやれていなかったと思い知る。
エピソードを重ねるごとに浮き彫りになる、元一の気づきと成長が胸に迫る。「透明なゆりかご」(2018年)やNHK朝ドラ「おかえりモネ」(2021年)で登場人物の感情の変化を丁寧にすくい取った安達脚本ならではの説得力が光っている。
■鈴木杏樹“紗世子”の決意「私がそばにいれば、光太は」
そんな第6話では、5話ぶりに登場した妻・紗世子の存在も大きい。調停の場で、元一と紗世子がそれぞれ親権を持つことへの思いを述べるシーンだ。
「後悔してます、すごく。光太を置いていったりして、本当にすみませんでした。でも、私があの子のことを考えられなくなったのは、あの一瞬だけなんです」と話し始めた紗世子。生まれてすぐの光太は母乳を吸う力が弱く紗世子は心配で泣いたこと、歯磨き粉のふたを飲み込んだと思い込んで病院に駆け込んだこと、初めて保育園に預けた日…。 どれも、元一の知らないエピソードばかりだ。光太のすべてを見てきた紗世子の話を聞きながら、元一は弁護士が言っていた「条件が同じなら親権は母親に行く」「母親は“察してやれる”」の意味を噛みしめる。
「私がそばにいれば、光太は絶対に幸せです」という紗世子。その積み上げてきた日々の重さと決意に、元一は言葉が出ない――。厳しい現実を目の当たりにする元一の物語に、視聴者からも「当時も泣けたけど、今も泣ける」「13年経って自分も親になってみて、こんな話だったんだーってなってる」といった声が飛び交っている。
第7話からは、“察してやれる”ことの意味を知った元一の、父親としてのやり直しの日々が始まる。FODプレミアムでは「Oh, My Dad!!」が最終話まで視聴可能。もう一度3人で暮らすことを夢見る元一の奮闘を一気見することができる。

