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中島健人が体現する “内面の美しさ”…「コンビニ兄弟」演出&制作統括が明かす、一人二役の舞台裏と“目に星”に秘めた演出意図

中島健人が体現する “内面の美しさ”…「コンビニ兄弟」演出&制作統括が明かす、一人二役の舞台裏と“目に星”に秘めた演出意図

中島健人が主演する「コンビニ兄弟」の制作統括、チーフ演出にインタビューを実施
中島健人が主演する「コンビニ兄弟」の制作統括、チーフ演出にインタビューを実施 / (C)NHK

中島健人が主演を務めるドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)が現在放送中。町田そのこの人気小説をドラマ化した本作は、北九州市・門司港にあるコンビニのイケメン店長・志波三彦(中島)とワイルドな謎の男“なんでも野郎”こと志波二彦(中島・二役)の二人がさまざまな無理難題を気分爽快に解決していく、現代の人間交差点・コンビニを舞台に繰り広げられるハートフル&ミステリアス&ヒューマンコメディー。

物語も後半に差し掛かる中、今後の展開では余貴美子、橋本マナミ、加藤シゲアキ、高良健吾ら新キャストも登場。そして主人公・三彦の抱える秘密にも迫っていく。

WEBザテレビジョンでは本作の制作統括・山本敏彦氏、チーフ演出・木村隆文氏にインタビューを実施。一人二役を演じる中島健人の魅力や、今後の見どころなどを語ってもらった。

■始まりは原作者との出会い。小さな出来事も大切に描く前向きな物語

――まず、この作品をドラマ化しようと思われたきっかけを教えてください。

山本敏彦制作統括(以下、山本):原作者の町田そのこさんと、友人を介してお会いする機会があったんです。その際に、福岡・北九州市の門司港を舞台にした小説を書かれているということを知りました。

その後、原作を読ませていただいたのですが、作中で起きることは些細な出来事かもしれないけれど、その一つ一つがすごく大切に、そして繊細に描かれていることに惹かれました。小さな出来事をみんなの力で整えていったり、人間のさりげない動きや言葉の中に小さな勇気を与えられるようなものがあったり。とても前向きなヒューマンドラマ作品だと感じ、「ぜひドラマ化させていただきたい!」と思ったのが始まりです。

――主人公の志波三彦(ミツ)は非常に個性のあるキャラクターですが、主演を中島健人さんに決められた理由は何だったのでしょうか?

山本:原作の三彦は、“フェロモン店長”で、レジの前がまるでコンサート会場になってしまうような人物。老若男女からモテモテの超イケメンという設定です。これをいざドラマ化するにあたって、どこまで現実世界で説得力を持たせられるだろうかと、最初はかなり頭を悩ませました。

そんな中で、中島さんが出演されているバラエティ番組での姿や、ある鉄道のCMなどをふと思い出したんです。アイドルとして真っ直ぐに突き進む彼の姿は、ほぼそのまま“フェロモン店長”三彦なのではないかと。さらに、実際に中島さんのコンサートにお邪魔して彼を見た時、キラキラしたアイドルとしての輝きと、汗の滴るワイルドな一面が共存していると感じたんですね。

ですから、主人公の三彦を中島さんにお願いしたいと考えると同時に、兄の二彦(ツギ)も中島さんが演じたら面白いのではないか…と思うようになりました。エレガントなミツと、ワイルドで行動力があるツギ。そんな「静」と「動」の対照的なキャラクターを、二役とも中島さんに演じてもらえたら、とても魅力的な作品になるのではないかと考えました。

■「ドンピシャでした」初日の第一声からツギになりきった中島健人の役作り

――ミツとツギという一人二役に挑む中島さんですが、それぞれのキャラクターを際立たせるために意識している部分や、演出面で心がけているところを教えてください。

木村隆文チーフ演出(以下、木村):実は、クランクイン初日の最初のシーンが、ツギのシーンだったんです。関東近郊でのロケだったのですが、撮影前に中島さんとお話をして「どう演じ分けようか」という具体的な相談をさせていただきました。例えば三彦の方は声のトーンを少し高めにして、話すスピードも滑らかで流暢にする。逆にツギの方は声のトーンを低くしてみて、話し方もちょっとぶっきらぼうで途切れ途切れにしてみよう、と。歩き方も、ミツの方はスッとスマートに歩くけれど、ツギはちょっと肩で風を切るようなワイルドな歩き方にしてみよう、というお話を初日にさせていただきました。

本当は三彦のシーンから撮り始めた方がよかったかな…と、僕自身も迷いながらのスタートだったのですが、それは杞憂でした。中島さんの中で、クランクインまでに非常にキャラクターを練って、しっかりと消化してきてくれていたんです。最初の第一声を聞いた瞬間から、「ああ、これはツギだ」と思いましたね。喋り方だけでなく、本当にちょっとした所作、身のこなし方を含めて、ちゃんと自分の中で消化し切って、熟成させて現場に来てくれているなと強く感じました。撮影前にお話ししたことをベースに、彼自身がストイックに作り上げてくださったものが大きかったと思います。

――まさに木村さんがイメージしていた通りのツギだったのですね。

木村:本当にドンピシャでした。

――初日からそこまでイメージが合致していたとは驚きです。

木村:それはきっと、中島さんの中に、もともと“両面”があるからなんだと僕は思っています。彼は「中島健人=三彦」というわけではないんですよね。普段、撮影の合間に何気なく喋っている時も、三彦的な面はもちろんあるんです。すごく周りに気を配ってくださる優しい一面もある。一方で、どこか兄貴分的なところというか、みんなを引っ張っていってくれたり、場を仕切ったりしてくれる、ちょっとワイルドな面もある。彼にはもともとこの両面があるんだ、ということが分かってすごくうれしかったのを覚えています。

――イメージしていたものとはまた違う、新たな魅力が見えた瞬間ですね。

木村:彼の本来の姿はどうなのだろうと、僕も一緒にお仕事をするまでは分からなかったのですが、お芝居の時はもちろん、普段の合間のお喋りでも両面を持っている方だなと思いました。だからこそ僕らは、その両面をうまく引っ張っていく――と言うとおこがましいかもしれませんが、彼の持っている両面の魅力を引き上げていけば、無理せず自然に二役を演じていただけるのではないかと、撮影のかなり早い段階から確信していました。

「コンビニ兄弟」より
「コンビニ兄弟」より / (C)NHK


■一人二役の過酷な裏側と、現場をポジティブに変える“ケンティー”の存在感

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

山本:すごく和やかで、リラックスした現場だと思います。何よりも、中島さんが真ん中で全員をポジティブにしてくれていると感じます。例えば、収録の進行によっては少し時間がかかってしまうようなところがあったとしても、彼が「すごくいいシーンが撮れたね!」とか「これだけ時間をかけて撮った価値があるよね」と声をかけてくれる。そういうポジティブな切り返しをしてくださるので、チームみんなで「本当によかったよね」という話になっていくんです。中島さんの物事の考え方によって、現場の気持ちがどんどん明るくなっていきますし、どんどん楽しくなっていく。役者さん同士のチームワークも抜群なのですが、そこにスタッフも巻き込んで取り込んでいってくださるので、チーム全体の雰囲気がすごくいいと思います。

――一方で、大変だったことは?

木村:1番大変なのは、やはり「1人2役」ということです。劇中にはミツとツギの2人が同時に登場するシーンがあるので、その撮影の時は、一度中島さんに三彦の扮装をしていただき、ある程度のシーンを一気にミツ側だけのカットで撮るんです。その後、ツギの扮装にチェンジするのですが、これに大体40〜50分掛かります。そして同じシーンをツギ側で全部撮る。撮影時間も通常の倍以上掛かりますので、やはり大変ですね。

山本:ツギを撮影する日は、40分ほどかけて一本一本ひげも付けているんです。ツギは食事をするシーンも多いので、「よくひげも一緒に食べてしまうんだよね(笑)」ということもありました。

■目の中に星…ポップな表現の中に映し出す思い

――三彦のセリフや、コンビニ客への接し方など、普段の生活ではなかなか聞くことのない、どこかファンタジックな描写もあるかと思います。ですが中島さんが演じると不思議とそのセリフも行動も無理なくなじんで、とても魅力的に映ります。

木村:演出として、三彦の目の中に現場の照明でキラキラした星を入れたりしています。見た目のセクシーさや華やかさは、中島さん自身が持っているものがたくさんあると思うのですが、このドラマの主人公である三彦という人は、その見た目のセクシーさが内面から出てくるものだろうという話を、中島さんともしたことがあるんです。三彦の中にある優しさや思いやり、気配り、そういう温かいものが外ににじみ出ているのだろうと。それは、ある時には目の中の星になることもあれば、優しい言葉として出ることもある。決して上っ面の軽いものではなく、内面がにじみ出たものであるべきだと思うんです。

見た目の演出としては、目に星が入っていたりとポップで軽い感じに作ってもいますが、あれは「受け手の側」、つまりコンビニで三彦と接するお客さんだったり、相手側が彼の目の奥に星を見つけたんだ、というつもりで僕は撮っています。

――だからこそ、あのキラキラ演出の時はカメラ目線が多いのですね。

木村:そうなんです。そのような場面はカメラ目線の主観のカットしか撮っていません。それは客観的な事実というより、受け手の側に「そう見えた」という表現。決して誰が見ても常に目に星があってキラキラしているわけではなく、彼の優しさに触れて、心を動かされた人が「そう見えたんだ」と。キラキラカットは、単に画面の見た目の楽しさだけを狙ったものではなく、それが三彦という人物の内面の表現になればいいなと思って演出しています。

――三彦と接して、心が動いた人にはそう見えている、というすてきな表現なのですね。

木村:見えない人には星もハートも見えないと思うんですよ。ドラマの中でも、若い10代の女の子には彼のフェロモンが全く通じない、といった場面も出てきますしね。でも、三彦の目の奥に星を見つける人もたくさんいる。そこに説得力を持たせられる中島さんは、やはりとても魅力的だなと感じます。

■物語は後半へ…明かされるミツの過去と、中島健人の持つ無限のポテンシャル

――これから物語も後半に差し掛かり、新たに多彩なゲストも登場しますね。後半の見どころを教えてください。

山本:全体の物語としては、やはりなぜあれだけのイケメンである三彦が、門司港のテンダネスというコンビニで店長をやっているのか、彼の謎に迫るということが大きな根幹にあります。その中で、後半にもさまざまな人との出会いがあり、なぜミツがコンビニという仕事に興味を持ったのか、そしてなぜ彼が門司港にとどまり続けているのかという、これまで謎めいていた部分が徐々に明らかになっていきます。

また、ミツの中学生時代のエピソードも描かれます。その中学生のミツを演じてくれるのが、中島さんの事務所の後輩にあたる宮岡大愛さんです。実はキャストを探している段階で、中島さんからも「この子は俺に似ている」という推薦の声があったんですよ。そうした力強い言葉もいただきながら、さまざま探していく中で宮岡さんにお願いさせていただきました。

木村:宮岡さん演じる中学生の三彦のシーンを実際に撮影する中で、「ああ、この過去があるから、今の志波三彦になるのだな」と感じる、すごくすてきな場面もありました。そこはぜひ注目していただきたいですね。

山本:後半にかけて、ミツがこれまで一人で抱えていたものが一気に見えてくるので、人間性としての深みがすごく出てくるなと思います。そして、それに対する漢気のあるツギも、最初からずっとかっこいいのですが、後半は「さらにこんなにかっこいい一面があるのか!」と思うような展開になっていきます。いずれにしても、役者としての「中島健人恐るべし」ですね。2役を完璧に演じ分けて、本当に別人のように、見ている方がしっかりと気持ちを乗せて楽しめるシーンを作ってくださっています。

そしてこのドラマを彩っていただいているキャストの皆さんが、後半も非常に活発に動き回りながら、最後は、ミツとツギという2人の兄弟の愛情、友情、そして強い絆を感じられるドラマになっていますので、ご期待ください。

――NHKドラマ初出演で初主演となる中島さんですが、先日の会見の際には「いずれは“朝ドラ”や大河ドラマも…」と意欲的なお話もありました。役者としての中島さんのこれからにどんな期待を寄せていますか?

山本:中島健人さんは、本当に素晴らしい俳優だと思います。僕はぜひどんどんいろんな作品に出てほしいと思っていますし、周囲にもそう公言しています。今回、“フェロモン店長”とワイルドな“なんでも野郎”という真逆の二役を演じていただき、俳優として、そしてアイドルとしての魅力も全力で感じさせる贅沢な中島健人さんの姿を、「これから先、彼はどこまでいくのだろう、どこまでできるようになるのだろう」と、僕自身もワクワクしながら見ていました。

彼には本当に真摯に、俳優としての面白さがあると思うんです。キレッキレな表現もそうですが、人間のすごく重たい感情の部分をしっかり受け止めて、人生の深みを描ききることができる。そのような大きなキャパシティを持っている方だと思うので、ポテンシャルは最高な逸材だと感じますし、ぜひこれからも大活躍していただきたいです。さらに中島さんには英語力もありますから、日本にとどまらず、世界のエンターテインメント界で活躍してくれる方だと確信しています。そして彼からは、誰かのために頑張りたいという思いを感じますので、これからも全力で応援したいと思っています。

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