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女性は男性の“約2倍”危ない?「未破裂脳動脈瘤」の原因となりやすい人【医師監修】

女性は男性の“約2倍”危ない?「未破裂脳動脈瘤」の原因となりやすい人【医師監修】

脳の血管の一部が風船のように膨らんだ状態を「脳動脈瘤」と呼びます。破裂していない段階のものが「未破裂脳動脈瘤」です。多くの場合は無症状のため、脳ドックなどの画像検査で偶然発見されます。なぜ動脈瘤ができるのか、どのような方に見つかりやすいのか——その基本的なしくみと背景を知ることが、正しく向き合うための第一歩となります。

伊藤 たえ

監修医師:
伊藤 たえ(医師)

浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

未破裂脳動脈瘤とはどのような状態か

このセクションでは、未破裂脳動脈瘤という病態の基本について解説します。動脈瘤がなぜ、どのようにしてできるのかを理解することが、不安を和らげる第一歩です。

脳動脈瘤のしくみと成り立ち

脳動脈瘤とは、脳の血管壁が一部だけ薄くなり、血圧に押されて風船のように膨らんだ状態を指します。血管の壁は本来、内側から内膜・中膜・外膜という強靭な3層構造でできており、心臓が送り出す高い圧力に耐えられるようになっています。しかし、脳の血管が枝分かれする分岐部は、血流が壁に直接ぶつかるため、構造的にストレスがかかりやすいのです。先天的な血管壁の脆弱性や長年にわたる高血圧や動脈硬化、喫煙などの影響でこの部分の壁が徐々に傷んで薄くなると、血圧に耐えきれずに外側へ膨らんでしまいます。これが脳動脈瘤の正体です。

その弱くなった部分が血圧に押されて外側に膨らみ始めると、動脈瘤と呼ばれる状態になります。破裂していない段階のものが「未破裂脳動脈瘤」です。多くの場合、動脈瘤そのものは症状を引き起こさないため、本人が気づかないまま過ごすことも珍しくありません。そのため、人間ドックや脳ドックでの画像検査(MRI・MRAなど)によって、偶然発見されるケースがほとんどです。

誰に起こりやすいのか

未破裂脳動脈瘤は、特定の生活習慣や身体的な特徴を持つ方に見つかりやすい傾向があります。高血圧は脳動脈瘤の形成・進行において最も重要なリスク因子とされており、長期にわたる高い血圧が血管壁を慢性的に傷つけます。また、喫煙も血管壁の弾力性を失わせ、老化を促進させる主要な要因です。さらに、過度のアルコール摂取も血圧上昇を介してリスクを高めることが知られています。

家族歴も見逃せません。両親や兄弟姉妹など第一度近親者に脳動脈瘤やくも膜下出血を経験した方がいる場合、自分自身にも動脈瘤が見つかる可能性が高まるとされています。多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)やマルファン症候群といった特定の遺伝性疾患との関連も報告されています。年齢別にみると、40〜60代の中高年層に多く見られ、性別では女性の方が明確に(男性の約1.5〜2倍程度)発見されやすい傾向にあります。 これには、女性ホルモンの変動が血管壁の脆弱性に関与している可能性も指摘されています。ただし、若年者にまったく発症しないわけではなく、幅広い年代で注意が必要です。

まとめ

未破裂脳動脈瘤は、その存在を知ることで大きな不安を感じるかもしれませんが、正しい知識を持つことが冷静な第一歩です。多くは生涯破裂しませんが、破裂の前兆となりうる「いつもと違う激しい頭痛」や目の症状には注意が必要です。診断後は、動脈瘤の特性やご自身の健康状態に応じて、経過観察か手術かを担当医と慎重に検討します。どちらの選択肢でも、高血圧の管理、禁煙、ストレスコントロールといった生活習慣の見直しが破裂リスクを低減させる鍵となります。定期的な検査を欠かさず、不安なことは専門医に相談しながら、心身ともに健やかな毎日を送ることを目指しましょう。

参考文献

日本脳神経血管内治療学会「脳動脈瘤について」

国立循環器病研究センター「脳動脈瘤」

厚生労働省 e-ヘルスネット「脳血管障害・脳卒中」

日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2025)」

配信元: Medical DOC

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