
自分の仕事を終えて定時に退社すると「社内の空気を悪くしている」と注意され、トイレに行く前には先輩への報告を求められる。新卒で入った会社での理不尽な体験から心身ともに不調をきたし、パニック障害、適応障害、抑うつ状態となって退職したけろちゃん(@kerochan_manga)さん。そんな壮絶な実体験を描いた漫画『新卒で入った会社で精神病になってニートになった話』が大きな反響を呼んでいる。
■理不尽な八つ当たりと狂っていく人生




けろちゃんさんは、新卒当時に受けていたおかしな指示に疑問を抱き、「こうしたほうが効率よくなるのでは?」と上司に直談判したことがある。しかしそれが反感を買い、爆速スピードで苦情や注意が相次ぐ事態になった。たかが新卒にムキになって八つ当たりする姿に呆れつつ、「会社のやり方に思考停止して従順に従う人を重宝している」と気づいたとき、自分がこの組織にいることが間違っているのだと確信したという。
スキルや貯金を考えて転職の手順を模索したものの、ストレスは限界を迎え、入社1年後に休職しそのまま退職。親と縁を切って家を出るなど生活も激変し、その後3年間は働くことができなかった。布団から起き上がる気力もなく、「私の人生どこから狂ったんだろう」と天井を見つめながら、ポテチを爆食いして気を紛らわせるむなしい日々が続いた。そんななか、布団の中でも描けたことから「どうせならこのむなしさを形にして残すか」と、軽い気持ちで漫画を描き始めた。
■自分基準でタイミングを見極めること
3年目からは体調が落ち着き、岩盤浴に行くなど月1回のペースで少し遠出をして、少しずつ人間らしい生活を取り戻していった。けろちゃんさんは自身の経験から、ブラック企業で悩む人に向けて、一番してはいけないのは我慢することだと語る。自分に合わない方法で無理をしているといつか必ずどこかで代償を払うことになり、「心と体調を崩しても、誰も責任は取ってくれない」からだ。だからこそ会社基準ではなく、今いる環境から抜け出すか否かのタイミングを「自分基準」で見極め、自分が一番納得できる答えに突き進んでほしいという。
漫画のコメント欄には多くの共感の声が寄せられ、読者と心の共有ができたことが大きなプラスになった。家庭環境の影響で社会とのズレを感じてうまく会社になじめなかったと振り返るけろちゃんさんにとって、同じようなズレを持つ読者からの言葉は深く印象に残り、おすすめされた本はすべて速攻で買って読んだほどだ。現在は新しい環境で仕事に復帰しており、今後も好きなように漫画を描き続けていくという。
取材協力:けろちゃん(@kerochan_manga)
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。製品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格が異なる場合があります。

