
子どもの頃から漫画に親しみ、ユーモアを交えながらさまざまな人間模様を描いている宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さん。実際の夜逃げ現場をもとにした人気シリーズ「夜逃げ屋日記」では、DVや家庭問題など、人生の岐路に立たされた依頼者たちの姿をリアルに描いている。今回は「夜逃げ屋日記」第19話を紹介するとともに、宮野さん自身の“人生を変えたい気持ち”についても話を聞いた。
■荷物の少なさが物語る、彼女の30年



今回登場する依頼者・井上さんは、30歳まで母親から宗教を押し付けられて生きてきた女性。宮野さんにとって初めて出会った“二世信者”だったという。服や趣味にお金を使うこともできずに過ごしてきたため、荷物は驚くほど少ない。人生の大半をここで過ごしたはずなのに、ワンボックスカーの荷室ひとつに収まってしまう、その光景が切ない。
■夢を語る一方で揺れる娘心
部屋の中で看護専門学校のパンフレットを見つけた宮野さん。すると井上さんは「あ!それは持っていきます!夜逃げしたら一生懸命働いて、お金貯めて勉強したいんです」と語る。しかしその直後、「私が夜逃げしてここからいなくなったら、お母さん一人ぼっちになっちゃう」と涙を流す。自由になりたい気持ちと、母を置いていく罪悪感。その間で揺れる姿が胸を打つ。
■彼女を決断させた、スタッフの一言
苦しみながら「ジョーさん、私、どうしたら良いですか?」と問いかける井上さん。ジョーさんはそばへ行き、「自分で決めてください」と静かに返す。そして「今、あなたはどうしたいんですか?自分の心に聞いてください」と続けた。
その言葉を受け、井上さんは看護専門学校のパンフレットを握りしめ、ワンボックスカーへと乗り込む。自分の人生を、自分で選び直そうとした瞬間だった。
■作者自身も人生を変える努力中
現在も夜逃げ屋スタッフとして働く宮野さんは、自身について「なんなら今も自分の人生を変えたいってずっと思ってます」と語る。「もっとよくなるんじゃないか、もっとよくなりたいと必死です」と明かしつつ、「ただ、自分によくここまで頑張ったなって褒めてあげることは、忘れないように気を付けてます」ともコメント。依頼者たちに寄り添う姿勢の裏には、自身ももがきながら前へ進もうとする思いがあった。
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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