がん発症のリスクを上げやすい食べ物とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「肺がんを予防する可能性の高い食べ物」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
「肺がん」とは?
肺がんは、肺の細胞からできるがんのことです。
初期には症状がなく、進行してから発見されることも多いです。
日本人では特に男性では多く見られ、肺がんによる死亡数も他のがんと比較して高いです。
今回の記事では、肺がんの予防に役立つかもしれない食べ物について解説します。また、食生活や生活習慣についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
がん発症のリスクを上げやすい食べ物
肺がんの発症リスクを確実に上げる食べ物は現時点ではありません。しかし、以下のようなものががん発症リスクを上げる可能性があります。
高食塩食
肺がんではデータ不十分ですが、胃がんにおいては食塩や塩蔵食品の過剰摂取はほぼ確実に発症リスクを高めます。
塩分の取りすぎは高血圧、動脈硬化症、心血管系の病気のリスクも高めてしまいます。1日あたりの摂取量は、できれば6g 未満に抑えるようにしましょう。
赤身肉と加工肉
イギリスの研究で、赤身肉と加工肉の摂取量が多いと肺がんリスクが高まったという報告があります。ここでいう赤身肉は、豚肉・牛肉・羊肉を指しており、脂肪が少ないお肉という意味ではないことには注意が必要です。また、日本人の平均的な摂取量では、特に大腸がんのリスク増加にはつながらないかもしれないとする報告もあります。現状肺がんリスクを高める確実なエビデンスはありませんが、過剰な摂取は控えた方が良いでしょう。
乳製品
症例対象研究にはなりますが、乳製品とデザートを摂取することが、肺がんリスクの増加につながると報告されています。脂肪分が多いあるいはショ糖が多いことが関連しているのではと考えられています。ショ糖はブドウ糖と加藤が結合したもので、砂糖の主成分です。ただし、特にショ糖については現時点ではエビデンスが十分あるとはいえず、今後のさらなる検証が必要です。
揚げ物
揚げ物の摂取が多くなると、肺がんリスクが高まる可能性があることが報告されています。乳製品と同様、脂肪分の多い食品が肺がんリスクの上昇に関連している可能性があります。
アルコール
アルコールは、特に肝臓がんや食道がんなどのリスクとなることが明らかです。肺がんにおいて、アルコールがリスクを高めるかどうかはまだ研究段階ですが、アルコールをたくさんとる方では肺がんリスクが若干高まるという報告があります。禁酒あるいは飲みすぎないよう、節酒を心がけましょう。

