洋食屋を営む宇美さんと夫の空さん。常連さんにも恵まれ順風満帆な生活を送っていました。そんなある日、大学時代の友人・杏さんが来店します。久しぶりの再会に喜ぶ宇美さんとは反対に、空さんは顔面蒼白に……！？
その後、急に塞ぎ込むようになった夫。宇美さんが杏さんと関わることを異様なまでに嫌がり……。
5年前、夫・空さんが23歳のときにプロポーズします。顔を真っ赤にし「俺の決意表明として聞いて欲しい……」と真剣な表情で問いかける空さん。そしてダイヤの指輪を取り出し「俺と……結婚してください！」と伝えます。
「嬉しい……」「私の方こそお願いします」と涙を浮かべるのは妻の宇美さんではなく、杏さん。杏さんは「私に嘘を付いたり……不誠実なことはしないでね！」と笑顔で忠告するのでした。そして2人は大学メンバーに報告をしようと話あうのでした。
大学メンバーへ婚約を報告！そのとき……
大学のメンバーに婚約を報告する空さんと杏さん。すると友人たちは「えー！まじで！？おめでとう！」「大学メンバーで結婚第一号じゃね！？」と祝福ムード！ 友人たちが盛り上がる中、杏さんは「空が素敵な人ってことは私も十分知ってるわ。私は幸せ者ね」と照れながらひと言。
その場にいた宇美さんは「周りがあんなに褒めてて……杏ちゃんが選んだって事は……」「もしかしてすっごく素敵な人なのかも……？」と空さんを見つめながらぼんやり上の空。そして「やだもう……」「欲しくなっちゃうじゃん……」と心の中である欲が沸々と湧き上がるのでした。
◇ ◇
大学メンバーに婚約報告をし祝福される空さんと杏さん。祝福ムードの中で宇美さんの胸に浮かんだのは「やだもう…欲しくなっちゃうじゃん…」という思い。以前「杏ちゃんは私のお姉ちゃんみたいな存在」「私がほしいって言ったものは何だって譲ってくれた」という言葉の“真相”が、ここで輪郭を持ちはじめます。祝福の輪の中でこぼれた独白に、思わずゾッとします。宇美さんの好奇心が幸せな2人をどう傷つけたのか……。真相が気になります。
次の話を読む → 著者：マンガ家・イラストレーター 土井真希
