自覚症状がない段階から頸動脈の状態を把握することは、脳梗塞の予防において大切な取り組みです。この記事では、人間ドックや脳ドックにおける頸動脈エコー検査の位置づけや、どのような方が積極的な受診を検討するとよいかを解説します。MRI・MRAとの組み合わせによる包括的なリスク評価についても紹介します。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。
頸動脈エコー検査の活用:健診や人間ドックでの利用方法
頸動脈エコー検査は、症状が現れてから受けるだけでなく、症状がない段階での健診・人間ドックの検査項目として活用することができます。自覚症状のない頸動脈狭窄症を早期に発見するうえで、検査の積極的な利用が助けになります。
人間ドックや健診での頸動脈エコーの位置づけ
人間ドックや脳ドックの検査項目として、頸動脈エコー検査が含まれているプログラムは少なくありません。一般的な健康診断では義務付けられていない検査ですが、オプション検査として選択できる医療機関も多くあります。
特に、高血圧・糖尿病・脂質異常症のいずれかを持つ方、喫煙歴のある方、家族に脳梗塞や心筋梗塞の病歴がある方などは、定期的に頸動脈エコー検査を受けることを主治医に相談してみることが一案です。動脈硬化は自覚症状を伴わずに進行するため、定期的な検査によって変化を把握しておくことが予防の観点から有効といえます。
脳ドックとの組み合わせで得られる情報
頸動脈エコー検査は、MRI・MRA(磁気共鳴血管撮影)を組み合わせた「脳ドック」の一部として受けることもあります。脳ドックでは、脳の血管の状態や小さな出血・梗塞の痕跡なども確認できるため、頸動脈の状態と合わせてより包括的なリスク評価が可能となります。
年齢とともに脳血管のリスクは高まる傾向がありますが、適切な情報を持ち、必要な検査を受け、医師とともに対策を立てることで、多くの場合に脳梗塞の発症を遅らせたり予防したりすることが期待できます。自覚症状がないからこそ、主体的に検査を活用することが、自分自身の健康を守る行動につながります。
まとめ
頸動脈狭窄症は、一時的なめまいや手足のしびれといった予兆を見逃さないことが、脳梗塞の予防において鍵となります。頸動脈エコー検査は、身体への負担が少なく、血管の状態を詳しく確認できる有用な検査です。生活習慣病をお持ちの方や、気になる症状を感じている方は、早めに神経内科や脳神経外科への相談を検討してみてください。ご自身の血管の状態を知ることが、健康な日常を守る第一歩となります。
参考文献
日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2025」
国立循環器病研究センター「脳卒中」
厚生労働省「脳梗塞・くも膜下出血・心筋梗塞・不整脈など」
厚生労働省 e-ヘルスネット「動脈硬化」
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