
倉悠貴が主演を務め、5月31日(日)に放送される第49回創作テレビドラマ大賞「ある日彼女のパンティーが、」(夜11:00-11:45、NHK総合)の完成会見が5月28日に東京・NHK放送センター内で行われ、倉のほか、共演の山下美月、演出の村田有里氏が登壇した。
■妻のパンティーをめぐるひょんなできごとから起きる大騒動
本作は、日本放送作家協会とNHKが共催する「創作テレビドラマ大賞」の第49回にて、応募総数1056作品から大賞に選ばれた加藤予備の脚本をドラマ化したもの。周りから一風変わった人にみられてしまい、社会との折り合いをつけるのが苦手な並木想太(倉)。現在は会社を休職し、家事を担当している。ある風の強い日、洗濯物を取りこんでいた想太は、妻の優衣(山下)のパンティーを家の前を流れる川に落としてしまう。すぐにパンティーを追うが救出は出来ず、想太はパンティーに取りつかれパンティーの事が頭から離れなくなってしまう。
そしてその夜、風がごうごう吹く中、いても立ってもいられなくなった想太は家を飛び出し、パンティーを救出しようと川に入り、大騒動になるのだった。漫画家の卵である優衣は、その夜の出来事を面白がり、漫画を描く。その漫画をきっかけに、想太は思いきった行動に出る。
■インパクトあるタイトルと、裏腹にある日常の温かさ
会見冒頭、『ある日彼女のパンティーが、』というタイトルについて率直な感想を求められると、倉は「衝撃的なタイトルというか、どんな話が始まるんだろうと聞いた時からすごくワクワクしました」と当時の心境を告白。「撮影中も『どうしてパンツじゃなくてパンティーなんだろう』と考えたりして(笑)」と会場の笑いを誘いつつも、「実際に脚本を読むとそのインパクトとは別で、すごく繊細に日常を描いていて、些細な幸せや愛おしさを感じさせてくれる脚本でした」と作品の持つ深い魅力を語った。
一方の山下も「台本の最初に書いてある『パンティー』という言葉を見た時は『私のパンティー……?』と思って衝撃的でした」と素直な戸惑いを明かして場を和ませた。しかし、「1ページ目をめくったら、倉さん演じる想太がスーパーでアジを選んで、自転車を漕ぎながら『優衣、喜ぶぞ』というセリフから始まるんです。その一言を見た時に、きっと温かくて優しくて、心に寄り添ってくれる作品が始まるんだなと、すごく信頼を置ける1ページ目でした。タイトルと中身のギャップに衝撃はありつつも、パンティーをきっかけに夫婦の愛の物語が始まるので、ぜひ見てほしいです」と笑顔で作品をアピールした。

■同い年の二人が明かす、お互いへの絶大な信頼と“満身創痍”の全力エピソード
共演を重ねており、ともに26歳という同い年の倉と山下。現場での話題について聞かれると、山下は「思ったよりあんまり若くない会話というか(笑)」、倉も「『どこどこが痛くなってきたよね』とか(笑)。想太と優衣みたいな、ゆるい会話を2人でしながら『そろそろ本番頑張ろっか』という感じでした。近年まれに見るくらい優しい現場でしたね」と、温かい撮影の雰囲気を振り返った。
改めてお互いの印象を語る場面では、山下について倉は、「本当にいつ見ても真面目。台本にも色々と書き込んであるのをチラ見したこともあって、同世代の俳優として信頼できる役者さん。今回も不安は全くなく、信頼があるからこそ、お芝居での色んなトライもやりやすかったです」と絶賛。
それを受けた山下も「倉くんこそ、とっても真面目でお芝居に誰よりも真剣に向き合っている」と応え、撮影中のあるエピソードを披露した。
駅から30分ほど離れたアパートでの早朝ロケの際、倉が乗っていた電車が遅れてしまったことがあったという。山下が先に入ってメイクをしていると、1月の凍えるような寒さの中、汗だくでゼーゼーと言いながら倉が入ってきたそうで、「これから本番なのに、今日の体力を全部使い果たしたんじゃないかというくらい満身創痍で。駅から1回も歩かずに走ってきたと聞き、スタッフの方やキャストも含め、色んな人のことを考えられるバランス能力の高い方なんだなと感動しました」と倉の誠実な人柄を称賛。倉は「いや、でも、反省ですね(苦笑)」と照れくさそうに笑顔を見せた。
■極寒での撮影裏話とお気に入りのシーン
物語のターニングポイントとなるパンティーを追い掛けて川に入るシーンの話題になると、二人は声を揃えて「めちゃくちゃ寒かったです!」と振り返った 。1月の撮影で川に入る必要があったため、倉は「そのシーンだけは最後に撮影することにして、『もう風邪ひいても大丈夫だよ』という(笑)。でも、パンティーを追いかけて拾うシーンだなんて、なかなか人生でできることじゃないのでワクワクしていましたし、全然寒さは感じなかったです」と役者魂を見せた 。
また、山下は寒さが印象に残っているエピソードとして、川沿いのベンチで二人でお寿司を食べるシーンを挙げた。「中トロなど豪華ないいお寿司を用意していただいたので、本番だけ食べるということで、テストは食べるふりをしていたんです。いざ本番になって食べながらお芝居をし始めたら、『シャリッ』て音がして。寒すぎてお寿司のネタが凍ってたんです(笑)。初めて氷を食べながらお芝居をしましたが、美味しかったです」と、極寒ロケならではのユニークなハプニングを笑顔で明かした 。
さらに作品の注目ポイントとして、「薔薇色だぜ」「私はブルーだよ」というセリフを挙げ、「夫婦の関係を1発で表現できるような独特なノリやユニークさが魅力的に映っていたらいいなと思います」とコメント。山下は「加藤(予備)さんの脚本のト書きがすごく面白くて。私が漫画を描いているシーンで『ずばばばばっと書く優衣』とか、『まんざらでもないなと困ったなの間の顔の優衣』とか(笑)。役者の力を信じてくれているト書きで、すごく楽しかったです」と見どころを語った 。
■「明日、少し人に優しくなれる作品に」
最後に倉は、「普段の生活でキャッチできていない、些細な日常の幸せや温かさに気づかせてくれる作品です。放送は日曜日なので、明日から少し人に優しくなれるような、そういうポジティブな作品だと思います。タイトルもインパクトはありますが、誰でも楽しんでいただける作品になっているんじゃないかなと思っております」と改めて作品の魅力を語り、続く山下も「お互いが夫婦として支え合っているけれど、それは相手への思いやりだったり努力の中で成り立っているんだなとすごく感じました。今回はドラマの通常スタイルとは違って、モノローグのアフレコも人生で初めて2人同時にやらせていただきました。それくらい、夫婦であることに意味があるのだなと感じています。ぜひ見て温かい気持ちになってくださったらうれしいです」とアピールし、締めくくった。

終始笑いと温かい空気に包まれていた会見からも、作品の持つ優しさがそのまま伝わってくるようだった。ドラマ『ある日彼女のパンティーが、』は5月31日(日)夜11:00よりNHK総合にて放送予定。

