購入した商品を後になって、さまざまな理由で返品してくる客がいる。今回は、「それはあり得ない」と誰もが思うような理不尽な返品クレームを描いた、狸谷さん(@akatsuki405)の『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』より、「何でもごねりゃ良いってもんじゃない」を紹介する。
■開封済み、他店購入…返品できない商品をごねる客



接客業やサービス業に携わる人なら経験があるかもしれない、商品の返品。狸谷さんが経験した変わったエピソードを3つ見ていこう。
まず1つ目は、男性用と間違えて女性用の肌着を購入してしまったというご老人。「女物じゃねーかよ!返品しろ」とクレームを言ってきたが、商品は開封済みで一度袖を通したものだった。返品できないと説明すると、「じゃあ、お前が捨てとけ」と捨て台詞を吐いて去っていったという。
2つ目は、「ここで買ったポリ手袋が不良品だ」と主張する女性。話を聞くと、他店で購入したことが判明した。店頭にない商品を無理やり返品しようとした女性は、確認ミスを認めたくないのか、最後には「じゃあ、捨てといてよ」と言い放った。
最後は、「お米を多く買ってしまったから返品したい」という男性。しかし、レシートを紛失していたため、再発行の手続きが必要になると、男性は「もういい!使えねーな」と立ち去ってしまった。本当に返品したかったのか疑わしいほどだったという。
■「いつ購入したかわからないものを返金要求」…増加する理不尽な客
狸谷さんによると、現在勤務している100円ショップでは、返品のルールが細かく定められている。不良品やレジミス以外の自己都合による返品は、購入から1週間以内でレシート持参が条件で、開封済みの食品や印鑑などは返品不可だ。
「高齢者の方に多いのだが、いつ購入したのかわからないようなものを、『動かない』だの『汚れた』だので返金を要求されることが最近多くて困っている」と狸谷さんは話す。
スーパーには返品のルールがあるにもかかわらず、それを無視して無理な要求を押し通そうとするクレーマーはあとを絶たない。こうした人々は「威圧的だったり、怒っていたり、態度が悪いお客が多い」と同業者からのコメントも届くという。
「どんなケースであれ『自分が正しい』というのが一番なので、想定外に返品や返金を断られると怒りが先に立つのかもしれない」と狸谷さんは分析する。「いつも『どのラインで説明をしたらわかってもらえるか』気を遣って対応している」と、日々の苦労を明かした。
■取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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