
外階段がついたアパートに住んでいると、ふとした瞬間に隣の建物の窓や部屋の中が見えてしまうことがある。2026年5月現在、SNSで「実話なのが生々しすぎる」「ラストのタイミングが怖すぎて鳥肌が立った」と読者を恐怖のどん底に突き落としているのが、漫画家・退屈健(@taikutsu1)さんの描くホラーエッセイ『隣のアパートの外階段』だ。
ライブドアブログ「底辺絵描き・退屈健の毎日カツカツ生活」で、シュールな日常絵日記やゾッとする実話ホラーを不定期連載している退屈健さん。今回は、読者から悲鳴が上がったという「友人の恐怖体験」の裏側を本人に聞いた。
■「窓の外から『犬神家』状態の足が見えたら……」カーテンを閉め忘れた部屋をじっと見つめる、謎の女性の存在



物語は、あるアパートに住む退屈健さんの友人のエピソードから始まる。その部屋は、隣の建物の外階段から室内が丸見えになってしまう構造だった。ある日、友人は自室で何気なく「逆立ち」をしていたが、カーテンを閉めていないことに気づく。外から見れば、映画『犬神家の一族』の有名なワンシーンのように、窓際に足だけが突き出ているホラーな光景だ。「外から見えたら不気味だよな」と慌てて窓へ向かい、カーテンを閉めようとしたその時、外階段に1人の女性が佇んでいるのが目に入る。
それから1時間が経過した。何気なく再びカーテンの隙間から外を確認すると、驚いたことにその女性はまだ同じ場所に立っていた。微動だにせず、一体何をしているのか……。もしかして自分にしか見えていない霊的な存在なのかとパニックになった友人は、退屈健さんに電話で相談。作り話だと笑う退屈健さんに証拠を見せるため、女性の姿をスマホで撮影しようと、そっと窓の隙間からカメラを向けたのだった。
■読者から雄叫びが上がった「ポストイン」の瞬間。実話だからこそ解けない、本当のオチの真相
カメラを構えた直後、物語は読者から「怖すぎる!」と大きな反響を呼んだ最悪の局面を迎える。女性が去った直後、タイミングを合わせるように友人の部屋のポストに「ガサリ」と何かが投函されたのだ。
この背筋が凍るような結末について、退屈健さんは「ホラー漫画の描き方は手探りだったのですが、自分なりに読んでゾッとする雰囲気になるよう意識しました。描いている最中は、ずっとそのコマを見つめすぎて、だんだん怖いのかゲシュタルト崩壊していましたね」と笑う。
気になる「本当のオチ」について尋ねると、退屈健さんから意外な回答が返ってきた。「実は、女性が去ったタイミングとポストにチラシが投函されたタイミングがたまたま重なっただけで、投函したのは全く別の業者の方だと思われます」。
怪異ではなく、単なる偶然が引き起こした奇跡的なタイミング。しかし、そうだと分かっていても、「あの女性は1時間も外階段で誰を待っていたのか」という謎は残る。人間の存在や構造上の死角がもたらす恐怖を、退屈健さんの卓越した演出力で描き切った本作。もしあなたの部屋のカーテンが開いたままなら、今すぐ閉めた方がいいかもしれない。
取材協力:退屈健(@taikutsu1)
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