母は壮太の面倒を見てくれる一方、娘であるあすかに「母親失格」という毒を吐き続ける実母。壮太が母に懐いているため、あすかは罵倒に耐えていましたが、心が限界に近づいていました。
感謝を伝えても、毒吐きで返される
私と母の関係には「毒」が混ざっていた。周囲から見れば、自営業を手伝う娘と孫をかわいがる母は、仲良し親子に見えているだろう。でも、実際は違います。
私は母の仕事を手伝いながら、壮太を預けることができています。これは、共働きをする私たち夫婦にとっては、本当に大きな助けです。母が壮太を見てくれるからこそ、私たちは生活できていることには、本当に心の底から感謝していました。
だから、お礼は欠かさなかったつもり。毎回ではないけれど、イベント事には少し高めのプレゼントを渡したり、何でもない日に「いつもありがとう」って言ってちょっとした品物を贈ったりもします。
私は、母が喜んでくれる顔が見たかったのです。
「母親」の私を全否定する母
でも、母は私がどんなに良い関係を望んで温かい言葉をかけても「毒」で返してきます。例えば
「あんたは本当に母親失格だね」
という言葉。壮太を抱きながらでも、ためらわずにこんな強い言葉を言うのです。きっかけは育児の価値観の違いから。例えば、離乳食の進め方とか、壮太が泣いたときの対応とか。母は「昔はこうだった」の一点張りで、私がネットで調べた新しい育児法や、小児科で言われたことを話しても、鼻で笑うだけ。
「そんな軟弱な育て方してるから、壮太が駄々こねるのよ」
「最近の若い親は、自分のことしか考えてない。だからあんたはでき婚しかできないのよ」
その言葉一つ一つが、私の胸に鋭く刺さった。私が一生懸命やっている育児を、全否定される。
でも、私が何も言い返せなかったのは、壮太が母にすごく懐いていたから。壮太は、母の家に行くのが大好きだった。母も、壮太のことは溺愛しています。母にとって、壮太は「宝」だけど、私はどうやら「厄介者」らしい…。そのコントラストが、私にはとてもつらく感じられました。

