
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は「月刊プリンセス」(秋田書店)にて連載中で、2026年4月16日に単行本1巻が発売されたささきささんの東欧歴史少女漫画『蒼きバルカナリア』をご紹介しよう。
同作は、オスマン帝国支配下の16世紀ブルガリアを舞台に、家族を失った少女リュカと彼女を育ててきた少年レフの絆を描く歴史ロマン。以前ささきささんのX(旧Twitter)に第1話がポストされると、約2000以上の「いいね」が寄せられている。そこで作者のささきささんに、同作を描いたきっかけやこだわりについて話を伺った。
■「将来は夫婦に」と誓い合った少年少女に訪れた、突然の別れ

時は16世紀、オスマン帝国の支配下にあったブルガリア南部の小さな農村ロジェン。8歳の少女リュカは、2年前に起きた“ある事件”で両親を失い、とある家族のもとで暮らしていた。
養い親の夫婦からは冷たく扱われながらも、その息子・レフだけがリュカに優しく接し、彼から動物の狩り方・罠の仕掛け方・羊の乳のしぼり方など生きていくための知恵を教わる。「将来は夫婦になろう」と誓い合った2人は、辛い境遇のなかでも互いのために懸命に生きていた。
ある日、少年たちを“徴用”するため帝国の兵士が村を訪れる。連行された場合、帝都で君主直属の“奴隷戦士”にされてしまうため、少年たちは麻袋の下や倉に隠された。レフもリュカと共に羊小屋に潜んでいたが、執拗に村を探し回る兵士たちに見つかりそうになり…。
読者からは「風景も衣装もキレイで惹き込まれた」「リュカとレフに幸せになってほしい」などのコメントが寄せられている。
■作者・ささきささんに創作への想いをインタビュー「消去法で選んだオスマン帝国支配下の時代が、実は一番舞台としてふさわしかった」

――『蒼きバルカナリア』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
東欧の民族衣装が好きで、民族衣装を纏ったキャラがたくさん出てくる作品を作りたいと思ったのがきっかけです。どの国の衣装も魅力的なので悩んだのですが、私自身も訪れたことがあり、これまで漫画の題材にあまりなっていなかった地域ということでブルガリアを選びました。
――オスマン帝国支配下のブルガリアという歴史的背景を舞台にされた理由や、世界観・設定面でこだわっている点があればお教えください。
先にブルガリアを描くと決めてから歴史を調べました。するとバルカン半島は先史時代から民族や国が入り乱れていて、「ブルガリア」という国が存在したのは中世のブルガリア帝国と近世の独立以降のみということが分かりました。
ブルガリア帝国は領地争いの動乱の中にあり、また近世以降も独立運動や共産党支配下など、少女漫画にするにはあまりに激しすぎました。しかも国として安定した頃には民族衣装は廃れていたのです。消去法でオスマン帝国支配下の時代を選んだのですが、さらに調べていくうちに、実はこの時代が一番舞台としてふさわしいことがわかりました。
この時代の農村の様子は資料がほとんどありません。近代化以前のヨーロッパの一般的な技術や風習などの資料と、ブルガリアに残る伝統的な衣装や建築などの資料とあわせ、想像で世界観や設定を組み立てました。逆に、少女漫画としての醍醐味を優先してあえて史実から外れたものを採用することもあります。
――同作を描くうえで「ここに注目してほしい」というポイントがあればお教えください。
けなげで逞しい主人公リュカの活躍をぜひお楽しみください。また、民族衣装に魅力を感じてくださる方は作者と癖が同じです。
――第1話で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
第1話で気に入っているのはリュカとレフとの別れのシーンです。悲しいシーンですが印象的に描けたので気に入っています。レフのセリフ「生きていればいつかきっと会えるから。諦めずに生き延びて。僕が教えたこと思い出してね」は、この先のリュカの原動力になる、作品を象徴するセリフです。
――今後の展望や目標をお教えください。
作家としてはまだまだ未熟なので技術を磨きつつ、読み応えのある面白い作品を作り出していけたらと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
『蒼きバルカナリア』はリュカやその周りが抱える問題に立ち向かいながら、レフとの再会に向けて物語が動いていきます。そして少女漫画ですからロマンスも織り込まれます。今後の展開にご期待ください。

