レイナさんとヤマトさん夫婦は、まもなく新しい家族を迎える日を心待ちにしています。
妊娠34週をむかえ、母子ともに異常なく経過していたレイナさんは、里帰り出産のために実家に帰省。「私は絶対に安産!!」と自信満々でしたが、帰省翌日、地元の産院で切迫早産の診断を受け、緊急入院に。
そして、2週間にわたる絶対安静の入院を乗り越えたレイナさんは、無事に退院。今か今かと待ちますが、なかなか出産の兆候が見られません。
健診で分娩を誘発する処置をされた日の夜、ついにおしるしと10分間隔の陣痛が始まり、レイナさんは覚悟を決めます。
しかし、結局、陣痛間隔は縮まらないまま、一睡もできずに朝を迎えることに……。
その後、出血があり病院を受診。子宮口は4cm開いており、そのまま陣痛室に入室することになりました。
「いよいよって感じ」と気分が上がったのも束の間、入室から5時間経っても、なかなか進行しません。レイナさんは、出産の立ち会いに来た母に支えられながら、どうにか痛みに耐えていました。
見えないゴールに苛立ち、揺れる心











ろくに眠れないまま、陣痛に耐える時間が過ぎていきます。
「寝ないと体力持たないわよ」と心配する母に、レイナさんもまた気を配りながら過ごしていました。
やがて、隣室で同じように陣痛に耐えていた人が、分娩室に移動している声が聞こえます。レイナさんは「私も早く産みたい!」と不安や焦燥感が一気に押し寄せます。
朝を迎え、内診を受けると、「あら……これは困ったわね」と医師。どうやら、もうそこまで降りてきているはずの赤ちゃんの頭の位置がズレていることが判明(※)したのです。「なるべく右側を下にして」とアドバイスをもらい、部屋に戻ります。
※赤ちゃんの頭がまっすぐではなくななめに骨盤に入り込んできている状態。そのせいで骨盤に引っかかりやすく、分娩が長引く原因のひとつです。
「まだ出てきたくないのかな」とつぶやく母親の言葉に、レイナさんは「いや、もう出てこいよ!」と、内心突っ込まずにはいられないのでした。
▼出産に向かう長い時間の中では、体力の消耗だけでなく、思うように進まない状況への焦りや不安も積み重なっていきます。特に「もうすぐ会えるはず」という期待や「いつまでこの痛みに耐えるのか」という不安があるからこそ、進み具合が見えない時間はより長く感じられるもの。
お産の進み方は人それぞれ。思い描いていた通りにはいかなくても、その時間のなかで、それぞれの頑張りがあることを感じさせてくれます。
次の話を読む →監修:関根直子(助産師)
監修者:助産師 関根直子筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。
著者:マンガ家・イラストレーター Reina
