ペキ子さんは、夫の優一さんと2人暮らし。優一さんは公務員として働く次男で、イケメンかつやさしい性格の持ち主。ペキ子さんにとってはまさに完璧な夫です。
そんなペキ子さんは、幼いころから「完璧な母親」になることを夢見てきました。待望の妊娠がわかると、自作の育児本を渡し、20時就寝や毎朝のスムージー、クラシック音楽を流し続ける生活を始め、仕事も退職。会社の先輩からのアドバイスを受け、ペキ子さんを甘やかすことをやめる決心をした優一さんは、ペキ子さんお手製の育児本を捨てました。優一さんが自分の母親と重なったペキ子さんは、自分が間違っていないことを証明しようと考えます。
その後、無事に出産を終えたペキ子さん。隣で出産中の人の痛みに耐える声を聞き、「努力しなかったから苦しんでいる」「自分は事前に練習していたから痛みを感じなかった」と話します。
さらに、捨てたはずの育児本の内容を覚えていて、出産時に実践していたことがわかり、優一さんは戸惑うのでした。
頭によぎる過去の記憶…










しつこく隣の人と自分を比べるペキ子さんを、優一さんはたしなめます。
しかし、ペキ子さんはまたしても過去に母親から言われた言葉が頭をよぎりました。
「だめって言われたやり方で、いいお産ができた」
「もう優一の言うことは信用できない」
と優一さんに背を向けるペキ子さん。
「痛い」「もうやめる」と泣き叫ぶ隣の人を「母親失格」と話すのでした。
どうやらペキ子さんは、過去に母親から自分の考えを否定されたことが、ずっと心に引っかかっていたようですね。
否定された経験が心に残っていると、自分の正しさを証明したくなることもあるのかもしれません。
けれど、出産の痛みや感じ方には個人差があり、呼吸法や事前の準備をしていても、痛いものは痛いもの。痛みを感じたからといって、努力が足りないわけでも、母親として不十分なわけでもありません。
どんなお産も、母子ともに無事を願いながら臨む命がけの時間です。その経験を、他人が軽く否定したり比べたりすることはできないはず。
自分を肯定したい気持ちは自然なものですが、誰かを否定することで自分を保つのではなく、それぞれの違いやつらさを認め合える視点を持ちたいですね。
監修者:助産師 関根直子筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。
著者:マンガ家・イラストレーター ツムママ

