■外傷直後の効果的な適切な冷却方法とは
骨折の場合は、受傷後10~15分経過する頃には強い痛みが出てきます。脱臼・捻挫・挫傷の場合は、変形や運動障害が出ます。打撲をした場合は、痛みがなかなか引きませんので、いずれも専門医の受診が必要です。
怪我をした後、氷でガンガンに冷やす人がいます。一見よさそうですが、冷やしすぎると生体反応が悪くなります。そのため、その状態で来院した際は、骨折部位や損傷部位がよく分かりません。また、冷やしすぎると予後が悪い印象です。
私は、外傷直後の処置として、4℃程度に冷やしたタオルを患部に当てるよう、提案しています。タオルを水で絞り冷蔵庫に入れます。パーシャル機能があると、もっとも4℃に近い温度になりますので、すぐそこに入れてみていただきたく思います。患部は炎症が起きていますので、熱を帯びています。4℃くらいで冷やすと、程よく冷やされ、痛みが治まります。冷却しすぎると、寒気が出て、震えが生じます。4℃程度のタオルはからだを冷やし過ぎないので、全身状態が低下せず、寒気は起きません。骨折や脱臼の場合は、その状態を保ちながら、来院していただく様に伝えています。
痛みが出て、局所が熱くなり、赤みを帯び、腫れているときは、冷やしたタオルを紹介した方法で3回当てると、痛みの軽減に役立ちます。当てている時間は少し長い方が良いと思います。冷たさを感じなくなるには、体温の高さや室温にも左右されます。自分の感覚に従って、長さを決めるようにしていただきたく思います。
■痛みの消失に鍼灸治療は最適です
痛みが出た時、上記冷罨法や温罨法治療を試しても痛みが引かない時は、東洋医療をご検討いただきたく思います。外科手術(外科治療)で効果を得られない人や薬物治療(内科治療)を回避したい人は、内外科治療である鍼灸治療が最適です。痛みが出たら、出来るだけ早く鍼灸治療を受けていただきたく思います。
痛みを引き起こしにくい体づくりには、ヨガ(YOGA)がお勧めです。ヨガ(YOGA)の運動法と呼吸法を身に付けることによって、丈夫な心身を獲得できます。また、日常生活を見直すことで、健康の維持向上に役立ちます。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい方は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照願います。
(清野 充典/鍼灸師)

