
SNSのコメント欄が読者のツッコミやアドバイスで大賑わいを見せているのが、杏乃(@sakana32929)さんの漫画『歯医者のお姉さんが気になる』だ。本作は、音が怖くて待合室の段階から怯えるほどの筋金入りの歯医者嫌いな青年が、気になる歯医者のお姉さんに会うために奮闘するラブコメディである。小学館の「新人コミック大賞」佳作でデビューした杏乃さんに、本作のこだわりや自身の活動について話を聞いた。
■自身の苦手意識を投影



大の大人なのに歯医者が苦手な主人公は、音が怖く、口をゆすいだときに想定以上に血が出ているのも怖いというキャラクター設定だ。これについて杏乃さんは、「主人公の青年は歯医者が苦手というキャラ設定なのですが、私自身も歯医者に行くのがすごく苦手なので、その感じが伝わればいいなと思いながら描きました」と明かす。
そんな彼が通う楽しみとなっているのが、やさしく接してくれる歯医者のお姉さんだ。杏乃さんが著者の視点で最も力を入れて描いたところは「ズバリ、お姉さんをかわいく描くことです。マスクをしていると美化されると思うのですが、外したときもそのままかわいくあってほしいと思いながら描きました」という言葉通り、読者を惹きつける魅力に溢れている。
虫歯の治療がすべて終了したとき、青年は喜びではなく寂しさを感じるが、実はお姉さん側にもかわいい企みがあった。最後に「飴どうぞー」と甘い飴を手渡すお姉さんは実は策士であり、青年はその理由を知る由もない。早くくっつかないと読者から「結婚する頃には総入れ歯だな…。」と突っ込まれる絶妙な距離感が描かれている。
■複数連載を抱える作画のこだわりと最新作
杏乃さんは過去、駅徒歩5分の格安物件にイケメンの貧乏神がいたという設定の『イケメン貧乏神と同居はじめました!』の作画も担当していた。小説の作画を担当する際に気をつけている点について次のように語る。
「原作の小説を読んだ方にも違和感を感じさせないように、担当編集さんや原作さんと意見をすり合わせて描いています。自分の漫画のときは手グセで描きがちですが、作画を担当するときは丁寧に仕上げることを心がけています」。読者から「毎週検診に行け」とまで言わしめるおもしろい関係性を描く杏乃さんの作品を、ぜひチェックしてみてほしい。
取材協力:杏乃(@sakana32929)
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