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大学院卒なのに非常勤…子どもが生まれ切羽詰まった“高学歴難民”に「ひょえー!ってなりました」【漫画】

大学院卒なのに非常勤…子どもが生まれ切羽詰まった“高学歴難民”に「ひょえー!ってなりました」【漫画】

『高学歴難民』が話題
『高学歴難民』が話題 / (C)阿部恭子 (C)ブル(秋田書店)2026

コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、チャンピオンREDにて連載中の『高学歴難民』(原作:阿部恭子さん・漫画:ブルさん)をピックアップ。

本作は阿部恭子さんの著書「高学歴難民」(講談社現代新書)のコミカライズ作品。2026年3月18日にはコミックス第1巻も発売された。本記事では、原作の阿部恭子さんと漫画を手掛けたブルさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

■高学歴なのに非常勤講師のパパ
『高学歴難民』第5話(6/26)
『高学歴難民』第5話(6/26) / (C)阿部恭子 (C)ブル(秋田書店)2026


佐藤孝志は、文系の大学院を修了したにもかかわらず、大学の非常勤講師や専門学校の講師を掛け持ちしながら暮らしていた。

結婚後は妻の収入に頼っていたこともあり、妻との間に子どもを授かっても自信を持てないでいた。育児に疲れている妻は、これまでにないほどきつく佐藤にあたるようになり、さらに自信をなくしていく。

奨学金の支払いも滞っていた佐藤は、両親にお金を貸してもらおうと電話を掛けるが、父親が検査入院をすることを聞き、言い出せなくなってしまう。今更コンビニや居酒屋でバイトはできない、と思った佐藤は、短期間で高収入を謳う怪しい求人に目を引かれ…。

高学歴者の悲惨な実態を描いた本作を読んだ読者からは、さまざまな反響の声が寄せられている。

■阿部恭子さん「チャンスがあれば問題提起したいとずっと考えていたテーマ」、ブルさん「『社会と個人』の狭間にある葛藤こそが本作の深み」
『高学歴難民』第5話(26/26)
『高学歴難民』第5話(26/26) / (C)阿部恭子 (C)ブル(秋田書店)2026


――『高学歴難民』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。

阿部恭子:「沈黙を余儀なくされる人々の声になる」 というのが私の使命だと思って活動を続けてきてチャンスがあれば問題提起したいとずっと考えていたテーマです。タイミングよく担当編集者さんが本にする機会を与えて下さいました。「高学歴難民」という言葉は「息子が人を殺しました―加害者家族の真実―」(幻冬舎新書)にも登場する初恋の人によるネーミングです。

――本作を執筆するうえで、特に心がけた点や大切にしていたことなどをお教えください。

阿部恭子:現在、学歴詐称が社会問題となっていますが、本書は学歴をテーマとした内容なので登場人物の学歴だけは確認させていただきました。裏が取れないケースは面白くても掲載はできませんでした。最終的に大学名は伏せた方がいいという判断になりましたが、もしかしたら読者が想像している学歴より実際の登場人物の学歴は高いかもしれません。実態はMARCHより上が多いんです。だからこそ「油断」も生まれるのかもしれません。

――阿部さんが特にお気に入りのエピソードはどのお話でしょうか。

阿部恭子:やはり最初のキャビンアテンダントのエピソードです。紆余曲折を経て、他人には理解できないかもしれないけれど彼女らしい幸福に辿り着いたところが素敵だと思っています。高学歴難民としての苦労があったからこそ手に入れたものです。

――本作を通して伝えたいメッセージがあればお教えください。

阿部恭子:学歴の価値について考え直すきっかけになって頂ければ嬉しいです。

――今後挑戦してみたいジャンルやテーマがありましたらお教えください。

阿部恭子:表現の追求というところではノンフィクションに限界を感じるところもあり、小説にもチャレンジしたいと考えています。

――最後に読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

阿部恭子:本書を手に取って頂いた皆様に心から感謝致します。理想や夢を叶えるには長く険しい道のりを歩かなければなりません。そこで道に迷って出口が見えなくなってしまった遭難者が高学歴難民です。 どうか温かく見守って頂ければ幸いです。

――『高学歴難民』を創作すことになったきっかけや理由などをお教えください。『高学歴難民』を創作すことになったきっかけや理由などをお教えください。

ブル:担当編集者から企画をいただいたのがきっかけです。

原案となる『高学歴難民』の新書を読ませていただいた際、自分自身は高学歴ではないものの、漫画家として先行きが見えない時期を経験していたこともあり、彼らの抱える焦燥感にある種の共感を覚えて作画することを決めました。

――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

ブル:新書のエピソードを読み進めるうちに、高学歴という高いスペックを持ってしまったが故の「現実と理想のギャップ」が見えてきました。

そのギャップを埋めきれなかった人たちが追い詰められた末にどういう行動を起こしていくのか、その選択の行く末が見どころです。

もう一つは、表面的には見えてこない「高学歴難民」の内面の苦しみを描いていますので、そのあたりを読者の皆さんにも共有していただけたら嬉しいです。

――『高学歴難民』第5話のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

ブル:やりたいことをやり続けるのは年齢を重ねるごとに難しくなっていきます。

環境の変化や金銭的な問題に直面したとき、プライドの高さが邪魔をして状況に対応できなくなっていく――。

そんな様々な状況に追い込まれ、視野狭窄に陥った主人公が一線を越えてしまうシーンは、悲劇的だなと思いながら描きました。

真面目で責任感があるからこそ、プライドの高さゆえに間違った判断をしてしまう。

読み返してみても、高学歴難民らしさがよく出ているキャラクターになったと思います。

あと、そんな彼に耐えかねた主人公の妻がヒステリックになるシーンもお気に入りです。

――『高学歴難民』のコミックス第1巻が2026年3月に発売されましたが、見どころやお気に入りのエピソードがありましたらお教えください。

ブル:Case1で登場する主人公は、新書の中でも一番非道で許し難いエピソードの持ち主です。

最初は「果たして高学歴難民だからこうなってしまったのか?」と疑問もありましたが、理想と現実のギャップを極端に体現している人物であることから、最初のエピソードに決めました。

このエピソードを書き終わって、次のエピソードに移るときに「高学歴難民は自己責任なのか、それとも社会の問題なのか」という疑問も生まれました。

自分は世間でいう「就職氷河期世代」にあたりますが、幸いにも当時は大きな波に飲まれずに過ごしてきました。

ただ鈍感だっただけか、時代のメインストリームに乗っていなかっただけなのですが、社会が生み出した構造的な問題という意味では高学歴難民も同じ根っこを持っていると感じます。

とはいえ、個人として抗える余地があるのも確かで、その「社会と個人」の狭間にある葛藤こそが本作の深みではないかと思っています。

今はcase4を書いている途中ですが、その葛藤をさらに掘り下げて表現していきたいです。

――ブルさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

ブル:新書に書かれているエピソードから浮かび上がってきた問題提起を、漫画に落とし込めていけるよう描いていきたいです。

個人的には、現在は地方の田舎で暮らしているので、将来的にその土地ならではのエピソードやローカルな魅力が伝わるような作品作りにも挑戦してみたいと思っています。

――最後に読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

ブル:『高学歴難民』を読んでいただき、ありがとうございます。

単なる他人事とは思えない、現代社会のリアルな人間模様を描いています。

まだ読まれていない方も、ぜひこの機会にお手に取っていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします!

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