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俳句をもとに描かれた“ねこまんが”…泣き止まない赤ん坊をあやす“先生”の姿に「癒された」と反響【漫画】

俳句をもとに描かれた“ねこまんが”…泣き止まない赤ん坊をあやす“先生”の姿に「癒された」と反響【漫画】

母親の呼びかけで現れる先生
母親の呼びかけで現れる先生 / ©2019 Yuki Horimoto+Nekomaki/ms-work Printed in Japan

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。

今回は『ねことじいちゃん』や『深夜3時のくろねこ喫茶』、『トラとミケ』といった猫の漫画を手がけるねこまき(ミューズワーク)さんに注目し、以前さくら舎より出版された『ねこもかぞく ほんのり俳句コミック』をご紹介しよう。

同作は家族の様々な情景を詠んだ俳句を掲載した1冊で、俳人である堀本裕樹さんが解説、漫画パートをねこまきさんが担当。以前ねこまきさんのX(旧Twitter)に同作で取り上げられた『秋暑き汽車に必死の子守唄』が投稿されると、1.5万もの「いいね」が寄せられている。そこでねこまきさんに、同作を手がけたきっかけについて話を伺った。

■泣き止まない赤ん坊をあやす先生の正体って?
『秋暑き汽車に必死の子守唄』(2/2)
『秋暑き汽車に必死の子守唄』(2/2) / ©2019 Yuki Horimoto+Nekomaki/ms-work Printed in Japan

俳句:秋暑き汽車に必死の子守唄(中村汀女)

残暑が続く初秋の頃、いくら母親がなだめても泣き止まない赤ん坊。すると、母親は「助っ人を呼ぶか」と言葉をもらし、続けて「先生!!お願いします」と誰かを呼ぶ。

途端に襖の向こうから1匹の猫がこちらを覗き…。読者からは「短い漫画なのに十分に癒された」「これがまさに“にゃんこ先生”」など様々な反響が寄せられた。

■俳句にほとんど触れたことがないなかで漫画パートを担当…取り組んだ後の気持ちの変化とは
『秋暑き汽車に必死の子守唄』(1/2)
『秋暑き汽車に必死の子守唄』(1/2) / ©2019 Yuki Horimoto+Nekomaki/ms-work Printed in Japan


――『ねこもかぞく ほんのり俳句コミック』の漫画パートを担当することになった経緯をお教えください。

当時の担当編集さんが俳句にとても詳しく、堀本先生とも交流があったようで、そのご縁からお声がけいただいたのではないかと思います。

実は『ねこもかぞく』の前に、『ねこのほそみち』という、猫の俳句を集めた本にも関わらせていただいていました。

お話をいただいた時は、とても嬉しかった反面、「自分で務まるだろうか」という不安もありました。俳句の世界で活躍されている先生とご一緒するのは、当時まだ漫画を描き始めたばかりだった私には、少し恐縮する気持ちもありました。

それまでの私は、俳句にはほとんど触れてこなくて、正直「難しそう」という印象を持っていました。でも、『ねこのほそみち』で猫が題材になった俳句を読むと、不思議と情景がぱっと浮かぶんです。猫の仕草や空気感が、短い言葉の中にちゃんと生きていて、「俳句って面白いんだな」と感じるようになりました。

それ以来、“猫の俳句”がとても好きで、「自分でもこんなふうに詠めたらいいのに」と思うことがあります。

一方で、漫画パートでは俳句に縛られすぎず、自分なりの世界として描くことを大切にしていました。当時は、あれが自分の精一杯だったと思います

――『秋暑き汽車に必死の子守唄』を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

この本は、俳句に対して堀本先生が解説をされ、その世界を楽しむ構成になっているのですが、私の漫画パートでは、俳句の情景をそのまま漫画にすることはあまり意識していませんでした。

というのも、俳句の情景をそのまま漫画にしてしまうと、同じ風景を繰り返すだけになってしまう気がしていたんです。

なので私は、俳句の中にある言葉をひとつ取り上げて、そこから想像を膨らませて漫画にしていくような作り方をしていました。

『秋暑き汽車に必死の子守唄』の場合、俳句の中では「秋」で「汽車」が舞台背景ですが、私が気になったのは後半の「必至の子守唄」の部分でした。

子どもがなかなか泣き止まず、必死になってあやしているお母さんの姿は、昭和も今もきっと変わらないんじゃないかと思ったんです。

そんな時、もし猫がそっと助けてくれたら、少し救われる気持ちになるんじゃないかな、と思いながら描きました。

――『ねこもかぞく ほんのり俳句コミック』のなかでお気に入りのエピソードと、その理由もぜひお聞かせください。

私は伊藤通明先生の『独り出て道眺めゐる盆の父』という句がとても印象に残っています。

大きな出来事が描かれているわけではないのに、情景や空気、その人の気持ち
まで見えてくるようで、不思議な力のある句だなと思いました。

“道を眺めている父”というだけで、帰省や家族を待つ気持ち、少し手持ち無沙汰なお盆の時間まで想像できるんです。

私はその「帰省」を、“天国から帰ってくる父”として漫画に描きました。お盆に集まる家族の中に、亡くなったお父さんもちゃんと帰ってきている。そんな姿が、猫には見えているんじゃないかな、と思ったんです。

少し不思議なお話ではありますが、お盆の時期には、亡くなった家族もすぐそばにいるような気持ちになることがあって、それを描いてみました。

――読者へメッセージをお願いします。

私自身、この作品に関わるまで俳句は「難しそう」という印象を持っていました。でも、読んでみると、短い言葉の中に風景や季節、人の気持ちがぎゅっと詰まっていて、とても豊かな世界なんだと感じました。

特に猫の俳句は、猫好きの方なら「わかるなあ」と思う仕草や空気感がたくさんあって、とても楽しいです。

この本を通して、俳句を難しいものとしてではなく、日常の風景を楽しむものとして気軽に触れていただけたら嬉しいです。漫画と一緒に、ほんのりとした余韻を楽しんでいただけたら幸せです。

そして現在は、『ねことじいちゃん』が12巻まで発売中です。島で暮らす大吉じいちゃんと猫の日常を描いた作品ですが、こちらも季節や暮らしの空気感を大切にしながら描いています。もし興味を持っていただけましたら、ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。

さらに、6月下旬には『深夜3時のくろねこ喫茶』2巻、7月下旬には『トラとミケ』8巻も刊行予定です。こちらも、それぞれ違った形で猫と人の日常を描いていますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

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