「肺がんで放射線治療を受けた場合の余命」はご存知ですか?医師が解説!

「肺がんで放射線治療を受けた場合の余命」はご存知ですか?医師が解説!

本記事では、がん治療における余命の概念や、その算出方法が統計的な推計に基づいていることを解説するとともに、肺がんで放射線治療を受けた場合の余命や、その効果・副作用について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「肺がんで放射線治療を受けた場合の余命」は?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師:
木村 香菜(医師)

名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

がん治療における余命とは

余命とは、医師が患者さんの病状から予測する後どれくらい生きられるかという期間を指します。これは個人ごとに正確に決まっているものではなく、過去の患者データに基づく統計的な推計です。余命宣告でよく耳にする〇ヶ月や〇年という数字は目安であり、実際にはそれより長く生存する方も少なくありません。

がん患者さんの予後を表す指標として生存率も使われます。なかでも5年生存率は、診断から5年後に生存している方の割合を示す統計データです。日本の国立がん研究センターなどから公表されている5年相対生存率は、同年代の一般人口と比較してがん患者さんがどの程度生存できたかを示すものです。

例えば肺がんの場合、ステージ(病期)が進むほど5年生存率は低下し、ステージIでは70~80%以上あるものがステージIVでは数%と大きな差があります。ただし、これも集団全体の統計であり、個人には当てはまらないことがあります。余命の数字は一つの指標に過ぎず、患者さん本人の希望やQOLを尊重しながら治療方針を決定していくことが大切です。

肺がんにおいて放射線治療のみが選択された場合の余命

肺がん治療では、通常、手術や抗がん剤治療、分子標的薬、免疫療法などの多角的なアプローチが取られます。しかし、患者さんの全身状態や年齢、合併症、または治療希望などにより、放射線治療のみでの治療が選択されるケースも存在します。治療成績でいえば、I期非小細胞肺がんの方の5年後生存率は定位放射線治療で87%、手術(肺葉切除)で84%とほぼ同等であり、統計学的な差は認められませんでした。一方で、肺がんのステージⅣ肺がん患者さんは分子標的薬が有効な場合があります。この場合も放射線治療のみを選択すると、余命は短くなる可能性があります。このように肺がんのステージによっても余命の期間は変わります。

配信元: Medical DOC

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