マルファン症候群という病気をご存知でしょうか。
マルファン症候群とは、生まれつき細胞と細胞を繋ぐ組織の結合が弱いために骨格・眼・心臓血管・肺などにさまざまな症状が出る病気です。
5,000人に1人程度という比較的稀な病気ですが、気付かずに放置してしまい、ある日突然大動脈解離などの合併症を起こし、若くして命を落とすようなケースもあります。
こちらで、マルファン症候群の経過についてご紹介していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「マルファン症候群」の症状・身体的特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
マルファン症候群の経過

マルファン症候群の経過について教えてください。
以前は、マルファン症候群の方は40歳くらいまでしか生きられないといわれていました。しかし近年では医療技術の発達もめざましく、早期に発見して適切な治療や経過観察などを行えば、平均寿命まで生きられるようになってきています。定期的に健診を受け、必要な治療を行うなど、適切な健康管理を行うことが非常に大事です。
マルファン症候群を発症していても気づかないことはありますか?
マルファン症候群の症状の出方には個人差があり、若いうちには症状が出ない方もいます。そのため、マルファン症候群を発症していても気づかないケースもあるでしょう。大動脈解離を起こして初めて、マルファン症候群だと診断される方も多いです。突然大動脈解離を起こすと命に関わることも多いため、早期発見が大事です。約75%が遺伝によって発症するため、家族歴のある方は検査を受けておくと安心でしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
マルファン症候群は先天性の遺伝子疾患で、約75%は遺伝によって発症するとされています。症状がなく気付かないうちに進行し、ある日突然大動脈解離を起こすと危険なため、早期発見が非常に大事です。家族にマルファン症候群の方がいる場合や家族が大動脈解離を起こしたことがある場合などは、気になる症状がなくても検査を受けておくと良いでしょう。また、マルファン症候群特有の身体的特徴がある方も注意が必要です。早期発見を心がけ、適切な健康管理や治療を行いましょう。
検査で動脈のふくらみがみられたら激しい運動や重いものを持つといった動作を控えるなど、普段の過ごし方にも注意が必要です。日常生活での注意点についても、主治医に確認しておくと良いでしょう。
編集部まとめ

以前は、マルファン症候群の患者さんの寿命は40歳くらいでしたが、近年では、一般の方の平均寿命とほぼ変わらないといわれています。
しかし、マルファン症候群の方が平均寿命を全うするためには早期発見が不可欠です。家族にマルファン症候群の方がいる場合には、早めに検査を受けておきましょう。
マルファン症候群であると診断された場合には定期的に経過観察を行い、必要に応じて適切な治療や手術を受けることが大事です。
マルファン症候群は先天性の遺伝子疾患であり、約75%は遺伝によるものとされていますが、遺伝ではないケースも全体の約25%を占めています。
そのため、家族にマルファン症候群の方がいなくても注意が必要です。
マルファン症候群の身体的特徴や症状などについてあらかじめ知識を持ち、ご自分に当てはまると感じたら早めに医療機関で検査を受けましょう。
参考文献
マルファン症候群(国立循環器病研究センター)
「側弯症」(日本整形外科学会)
マルファン症候群(指定難病167)(難病情報センター)
- 「血圧の左右差」がどれくらいあると「大動脈解離」を発症しやすくなる?医師が解説!
──────────── - 「大動脈解離の平均寿命」はご存知ですか?発症後の注意点も医師が解説!
──────────── - 「大動脈解離の再発率」はご存知ですか?再発すると現れる症状も医師が解説!
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