
町田啓太主演ドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」(毎週土曜夜9:00-9:54、日本テレビ系/Huluにて配信)の第8話が、5月30日に放送。実家への帰省を機に、完璧ではない親たちの過ちと向き合い、海音の親子関係を修復へと導いた涙のデトックス回に、SNSでは「目の奥が熱くなった」「覚えてない親の言葉が深く巣食うのはよくある」と共感と感動の声が溢れている。(※以下、ネタバレを含みます)
■フリースクールを舞台にしたヒューマンドラマ
本作は、学校に行けない子どもたちが安心して過ごせるフリースクール「ユカナイ」を舞台にしたヒューマンドラマ。フリースクールスタッフ・タツキのモットーは「楽しいことだけ、やろう!」。アートを取り入れ絵を描いたり、子どもたちとゲームをしたりと遊んでばかりの姿に、真面目な同僚・しずく(松本穂香)は「なぜこんなに甘すぎるのか」と疑問に思うことも。子どもの教育に正反対の価値観を持つ2人だが、彼らと向き合う中で、タツキが抱える葛藤と徹底して寄り添おうとする真意が明らかになっていく。一方、不登校経験もあるしずくは、やがて自分なりの寄り添い方を見出していく。
■心を閉ざした海音の涙の訴えにタツキは…
アトリエにこもってしまった海音が自分を呼んでいると聞き、実の息子・蒼空(山岸想)との話し合いを急きょ切り上げて「ユカナイ」へと向かったタツキ。「何があってもずっといるって言ったのに」。駆け付けたタツキを強くにらみつけながら、寂しさと裏切られたような悲しみを爆発させる海音の姿に、タツキは激しい葛藤を抱く。
その後、代表の三雲から「休め」と促されたものの、「ユカナイ」以外に自分の居場所を見つけられないタツキは、アトリエに“お休み中”の札を掲げて形ばかりの休養に入ることに。しかし、身は離れていても頭から離れないのは海音のことばかり。そんな彼を見かねた三雲から「どうしてタツキは、そんなに海音のことが心配なんだろう?」と核心を突く問いを投げかけられる。タツキは迷いながらも、「分からないです。ただ…海音を見てると、自分の子どもの頃の記憶が頭をよぎるんです」と、自身が抱える深いトラウマとの境界線を告白するのだった。

■両親が登場、封印していた過去のフラッシュバック
タツキの言葉に耳を傾けた三雲は、心の整理をさせる気晴らしとして、小さい頃に見た思い出の風景を描くことを提案する。ところが、キャンバスに向き合い描いているうちに、タツキの脳内に幼少期の過酷な記憶がフラッシュバックし、どうしても手が止まってしまう事態に。その異変を察知した三雲は、タツキを強引に外へと連れ出す。
2人があてのない気まぐれなドライブを楽しむ中、突然三雲が「タツキの実家に行こう」と予想外の提案を切り出す。そのあまりに唐突な言葉に困惑を隠せないタツキだったが、三雲に背中を押されるようにして、長年距離を置いていた実家へと向かう覚悟を決める。
実家で待っていたのは、予告のない突然の帰宅に目を見開く父・浮田一樹(杉本哲太)と、驚きつつも息子を迎え入れる母・かおり(松下由樹)の姿だった。重い足取りでかつての子どもの頃の自室へと入ったタツキは、壁に飾られたままの「青空の絵」と再会する。かつて市のコンクールで入賞したというその絵の背景には、父・一樹との間にある、今のタツキの人格を決定づけた“ある決定的な思い出”が隠されていた。
当時、夕焼けの空を描いたタツキに対し、「空に見えないから描き直しなさい」という言葉を容赦なく投げかけた父。さらに高校生になり、絵の専門学校に行きたいと進路を申し出た際には「大学に行きなさい」と一蹴されてしまう。極めつけに、大切にしていたスケッチブックまでもが「受験にいらないじゃない」と母によってそっけなく捨てられていた。自らの意思や個性をことごとく否定され、型に嵌められてきた過酷な記憶が、タツキの胸に蘇る。
タツキは思い切って、その「青空の絵」の真実を父にぶつける。しかし、当の父親は描き直しを命じたことなどこれっぽっちも覚えていない様子で、今となって「別に赤い空でもいいよな」「お前の好きにすればよかったじゃないか」とポツリ。悪気のないその言葉に、タツキは「そんな空気じゃなかったよ!」と、本音を笑いながらこぼすのだった。
子どもを思うあまり、無意識にその自由を奪ってしまっていた父親。そしてタツキ自身もまた、その父と同じように自分の偏った価値観を息子・蒼空にぶつけ、知らず知らずのうちに追い込んでしまっていた事実に気付き、激しい自己嫌悪に打ちひしがれる。
「親も完璧じゃない」という厳然たる事実に改めて気付かされたタツキは、同じように苦しむ海音にどうしても伝えたいことがあると決意し、すぐさま「ユカナイ」へと戻る。
■傷ついた親子が前を向く、涙のデトックス
その頃、算数のコンクールで見事「銅メダル」に輝いた海音だったが、周囲の祝福とは裏腹にどこか浮かない表情を浮かべていた。そんな海音と彼女の父親の前で、タツキはそっと寄り添うようにボタンアートをしながら「算数は好き?」と優しく問いかける。海音の口から返ってきたのは「今は好きじゃない」という切ない本音だった。彼女が算数を好きだった理由は、けっしてメダルのためではなく「パッと閃く時が楽しくて」という純粋なワクワク感だったのだ。
その後、「ユカナイ」の仲間たちに囲まれ、はじけるような笑顔を取り戻していく海音。その姿を見た父親は「あんなにうれしそうな笑顔を見るの、久しぶりです」と驚きを隠せない。算数の問題を解く我が子の楽しそうな姿を見て、良かれと思って選択肢を増やしてあげようと必死に動いていた父親だったが、それがいつしか海音にとって重い足枷となり、苦しいものに変わっていた。
「大好きなものを奪ってしまった」と自らの過ちを悟り、涙をかみ締める父親。等身大の明るい表情を取り戻した海音は、もうタツキのことを「パパ」という身代わりの言葉では呼ばなくなっていた。それは、実の父親との関係が本当の意味で修復へと向かい始めた、確かな一歩だった。
放送後、SNSでは「今回辛かったなぁ…」「特に気にせず言った言葉が相手に深く巣食うことはよくある」「目の奥が熱くなりました」「息子の怒り。一見逆恨みだけど、本質は「自分への嫌悪感と絶望」」「来週どうなる…」「よくグレなかったな、タツキ」「覚えてないんだ…びっくりした」などの声が寄せられた。
◆文=ザテレビジョン編集部

