
デパートやスーパーで見かける試食販売コーナー。「食べたら買わなければいけない」と感じ、つい避けてしまう人も多いのではないだろうか。そんな試食現場でのリアルな出来事を描いたのが、タジマオオカ(@pu92yu)さんによる実録漫画「試食漫画」である。今回は、子供だけを試食コーナーへ向かわせる親子とのやり取りを描いたエピソードを、作者インタビューとともに紹介する。
■試食したい子供と距離を取りたい親



コロナ禍以前は当たり前のように行われていた試食販売。「食べたら買わなくては」と感じてしまい、足が遠のく人も少なくない。しかし、販売員側としては「まずは味を知ってほしい」という気持ちが強いという。
作中では、試食をしたがる子供と、それを嫌がる親のやり取りが描かれる。販売員はアレルギーなどへの配慮から、子供へ直接試食品を渡すことはできない。必ず保護者へ手渡さなければならないルールだ。しかし親は試食コーナーへ近づきたがらず、「もらってきなさい」と子供へ指示するだけだった。
■「買わなきゃいけない」と思わせないように
タジマオオカさんは、「試食をおすすめする側としては、とにかくお味を見てほしいので、買う買わない関係なく多くの方に試していただきたいです」と語る。一方で、「やはり『買わなきゃ』と思ってしまいますよね…」と、客側の心理にも理解を示した。
そのため、「お客様に負担をおかけしないよう、工夫してお渡ししたいと思っています」とコメント。試食販売は単なる営業ではなく、“まず知ってもらう”ための場でもあることがうかがえる。
■接客業の人に何をしてもいいわけではない
さらにタジマオオカさんは、「販売員はお客様に何を言われても、丁寧に失礼のないように接します」としたうえで、接客中のつらい経験についても明かしている。
「明らかに小学生や中学生と思われる年齢の方にからかわれることもあります」といい、「もし『接客業の人には何をしてもいい』という誤解が未成年の方々にあるなら、それは悲しいことだと感じています」と率直な思いを語った。
試食販売の現場では、理不尽な対応を受けることも少なくない。作中でも、販売員が試食容器を回収しようと近づいた際、親から「こっち来ないでよ、気持ち悪い!」と言われ、ゴミを投げつけられる場面が描かれている。子供の前での態度に、販売員は言葉にできない悲しさを抱えていた。
■それでも販売の仕事を続ける理由
それでもタジマオオカさんは、「多くの方は良識のある優しいお客様です」と話す。「そういったお客様に出会えたり話したりしていると、『人っていいな』と思える瞬間があって、それが販売の仕事を続けるモチベーションになっています」と語り、接客業への思いを明かした。
取材協力:タジマオオカ(@pu92yu)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

