■常位胎盤早期剝離とは
胎盤の位置は正常であっても、赤ちゃんを産む前に子宮の壁から剝がれてしまうことを「常位胎盤早期剝離」といいます。常位胎盤早期剝離の発生頻度は0.49~1.29%というデータが報告されています 。
胎盤が剝がれると赤ちゃんに酸素が送られなくなり、また子宮内で大出血が起きます。つまり、母子ともに危険な状態になるということ。一刻も早い対応が必要です。治療については、妊娠週数や胎児・母体の状態を考慮して判断されます。
妊娠週数が早く、胎児心拍数モニタリングで異常も認められず、母体の全身状態が安定している場合は、待機的に経過を見ることもありますが、胎児か母体の状態が安定していない場合は、帝王切開または器械分娩など急速遂娩(きゅうそくすいべん)を行います。
母体と胎児両方に重い障害を起こす危険性が高く、速やかな対処が必要となりますが、常位胎盤早期剝離は実際に起きるまで予測することが非常に困難です。もし、妊娠中期以降に突然の激しい腹痛や、腹痛は軽度でも性器出血が見られるような場合は、まず胎動を確認し、すぐにかかりつけの産院へ連絡しましょう。
参考文献:
医学書院「標準産婦人科学 第4版」,2011
参照:
【医師監修】胎盤とは|いつできる?役割と前置胎盤など胎盤のトラブルについて
(マイナビ子育て編集部)
