貯金を食いつぶされた朋美は、健太に即刻FXをやめるよう強く伝えました。健太は一旦は従いましたが、損失を取り戻せるかもしれないというわずかな希望にしがみつき、一部の資金を残すことを強く主張します。
朋美は、これ以上の争いを避けたいという気持ちから、最後に小さな譲歩をしてしまいます。しかし、このわずかな残りの資金こそが、後にすべてを崩壊させる火種となることを、この時の朋美は知りませんでした。
即刻解約を命じた妻。頑なに譲らない夫の「最後の懇願」
朋美は、即刻FXをやめ、口座を解約するように健太に強く伝えました。健太も自分が犯した過ちの大きさを理解し、すぐに従うと言いました。
朋美は、消えた100万円のうち、残っていた資金をほぼ全額、家計に戻させました。しかし、健太は、わずかな資金についてだけは、どうしても譲りませんでした。
「お願いだ、この残った十数万円だけは、もう少し持たせてくれないか。相場が少し上がってきている。少しだけでも利益を出して、失くした分を返すから。これで最後にしたいんだ」
健太は涙ながらに訴え、絶対に無理な取引はしないと何度も約束しました。朋美は、このまま彼と押し問答を続けることに疲れ果てていました。この十数万円を巡って揉めるよりも、これで本当に最後にしてくれるなら、と諦めにも似た気持ちが湧きました。
「これで最後に…」涙ながらの訴えに、妻が突きつけられた疲労
「わかった。これが本当に最後だよ。もし、また少しでも下がることがあったら、すぐに売ってすべて家計に戻すこと。絶対に二度と貯金には手を出さないで。もし約束を破ったら、もうあなたを信用できないから」
朋美は厳しい言葉で釘を刺し、その十数万円だけを彼に残すことにしました。健太は心から感謝し「今度こそ必ず約束を守る」と誓いました。
朋美は、この件が片付いたことにとりあえずは安堵し、貯金通帳をすべて回収し、これからは自分が家計を管理することを健太に言い渡します。これで家計の平穏が戻ればいいのですが―――。

