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「隠れ貧血」の放置は“落とし穴”?大人が知る『適正量』と薬の効果【医師監修】

「隠れ貧血」の放置は“落とし穴”?大人が知る『適正量』と薬の効果【医師監修】

鉄分は毎日欠かせないミネラルですが、1日にどのくらい摂ればよいのか、迷う方も少なくないでしょう。厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに、成人男女や妊娠中・授乳中など、ライフステージ別の推奨量について解説します。過剰摂取のリスクにも触れながら、適切な鉄分補給の考え方をお伝えします。

山本 佳奈

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

鉄分不足(隠れ貧血)の適正量①:1日に必要な鉄分量の基準

鉄分は身体に欠かせないミネラルですが、1日にどのくらいの量を取ればよいのか迷う人も少なくありません。このセクションでは、1日に必要な鉄分量の目安や、年齢・性別による違いについて解説します。

厚生労働省が示す鉄分の推奨量

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、鉄の推奨量(1日あたり)は年齢や性別によって異なります。成人男性(18〜64歳)では1日7.5mg、成人女性(月経あり)ではおおむね1日10.5〜11.0mg、月経がない場合は6.5mgが推奨量として示されています。

これらの数値は、通常の食事から摂取した鉄のうち、実際に体内で吸収・利用される量を考慮したうえで設定されています。鉄の吸収率には個人差があり、食事内容によっても変化するため、さまざまな食品をバランスよく摂ることが大切です。

推奨量は、健康維持を目的とした一般的な目安です。鉄分不足が疑われる場合や、妊娠中・授乳中など鉄の必要量が増える時期には、より多くの鉄分が必要になることがあります。

年齢・ライフステージによる鉄分の必要量の変化

鉄の必要量は、ライフステージによって変化します。成長期の子ども、特に思春期では急速な身体の発達に伴って鉄の必要量が増加します。思春期の女子では月経の開始も重なるため、鉄分不足になりやすい時期といえます。

妊娠中は、胎児の成長や胎盤の形成、血液量の増加などにより、鉄の必要量が増加します。「日本人の食事摂取基準」では、妊娠初期(妊娠3ヶ月まで)に2.5mg、妊娠中期・後期(妊娠4ヶ月以降)には9.5mgを推奨量に上乗せすることが示されています。妊娠中の鉄分不足は、母体だけでなく胎児の発育にも影響する可能性があります。

授乳中も、母体の栄養管理が重要となるため、通常より多くの鉄分が必要とされます。閉経後の女性は月経による鉄の損失がなくなるため、必要量は男性に近い水準に下がりますが、食事量の変化などによって不足しやすい場合もあります。

過剰摂取にも注意が必要な理由

鉄分は不足すると問題が生じる一方で、過剰に摂りすぎることも身体にとって望ましくありません。鉄は身体に蓄積される性質があり、長期間にわたって過剰に摂取すると、肝臓や心臓などに負担をかける可能性があります。

食事からの鉄分摂取では、通常の食生活の範囲では過剰症になることはほとんどありません。しかし、サプリメントや鉄剤を自己判断で大量に、あるいは長期間使用する場合は、過剰摂取のリスクが生じることがあります。厚生労働省では、成人の鉄の耐容上限量(過剰摂取を避けるための上限量)を1日40〜50mgとしています。

鉄分補給を行う際は、推奨量を目安としながら、必要に応じて医療機関へ相談しながら進めることが大切です。医療機関での定期的な確認を踏まえて進めることが望まれます。

まとめ

鉄分不足(隠れ貧血)は、見た目にはわかりにくいものの、日常生活に影響を与えることがあります。食事からの鉄分補給や適正量の把握、女性特有のリスクへの対策を意識することが大切です。疲れやだるさ、集中力の低下など気になる症状が続く場合には、医療機関で相談してみましょう。内科や婦人科など身近な医療機関への相談が、改善への第一歩につながります。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」

配信元: Medical DOC

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