加藤浩次「僕の周りにはああいう人がいた」映画「17歳のカルテ」を機に振り返る思春期の実体験<サタデーシネマ>

加藤浩次「僕の周りにはああいう人がいた」映画「17歳のカルテ」を機に振り返る思春期の実体験<サタデーシネマ>

「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」
「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」 / ※提供画像

映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、毎週1本のおすすめ作品を語り尽くす「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」(土曜朝8:00-11:00、BS10)。10月11日(土)の放送では、1999年に公開された映画「17歳のカルテ」が特集される。ゲストに俳優・小出恵介を迎え、思春期の心の揺らぎと“正常・異常”という社会の線引きをテーマに深い議論を交わした。

■原作者の“激オコ”エピソードから見える、映画の真のテーマ

番組冒頭、加藤が「原作と映画って全然違うんですよね?」と切り出すと、よしひろは「そうなんですよ。原作者のスザンナは、この映画を観たときに“激オコ”だった。“こんな友情は存在しないし、メロドラマじゃない”と語った」と裏話を披露。これにはゲストの小出も驚きを隠せなかった。

実際、1994年に出版された原作は自伝的小説として冷静かつ淡々と描かれている。しかし映画版ではアンジェリーナ・ジョリー演じるリサの存在を軸に、友情と希望の物語として脚色。公開当時はスザンナ本人による暴露・批判がネガティブキャンペーンとして報じられた一方で、映画は全世界でヒットを記録したという。

よしひろは「ティーンエイジャーが精神的に不安定になりやすいのは世界共通。そのケアが行き届いていなかった時代を描いた作品」と分析し、加藤も「大人たちが“あなたは正常、あなたは異常”と線引きをしていた時代を描いた作品」と応じた。

加藤はさらに「アンジェリーナ・ジョリーの演技は狂気じみていて見事だったけど、僕の周りにはああいう人がいた。今思えば、正常と異常、病気という境目が間違っていたんだろうなと思う」と自身の体験を交えて語る。思春期の葛藤を病とみなし、社会の“外”へと追いやった時代。その痛みこそが、この作品の真のメッセージといえるだろう。

番組の最後に小出は「映画によって現実社会の歪みを的確に描いて、実際に社会が変わってきたことを考えると、すごく尊いと感じました」とコメント。これに対し、よしひろは「みんなが考えているのに言語化できないことを、映画が代弁し言語化してくれる。すごくいい役割だと思います」と映画の力を称えた。

■「17歳のカルテ」ストーリー

1967年、17歳のスザンナは日々の生活の中に目的が見い出せずにイライラしていた。ある日、彼女はアスピリンとアルコールを大量に摂取し、病院にかつぎこまれる。彼女は自分の心を自分自身でコントロールできなくなる“ボーダーライン・ディスオーダー(境界性人格障害)”と診断される。こうして治療を受けることになったスザンナを支えたのは、自分の居場所を探し求める少女リサの存在だった…。
「17歳のカルテ」
「17歳のカルテ」 / (C) 1999 Global Entertainment Productions GmbH & Co. Movie KG. All Rights Reserved.

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