変形性頚椎症の診断と治療

変形性頚椎症が疑われる場合はどのような検査が行われますか?
まず行われるのは問診と診察です。症状の出方や持続時間、日常生活への支障などを詳しく確認し、首の動きや腕・手・足の筋力、しびれの有無、腱反射といった神経学的所見を調べます。そのうえで、画像検査として最初に実施されるのはX線(レントゲン)撮影です。骨の変形や椎間板の狭小化、骨棘の形成の有無がわかります。さらに神経の圧迫状況を詳細に評価するためにはMRIが有効で、脊髄や神経根の圧迫状態を確認できます。神経伝導検査やCTが行われることもあり、総合的な判断で診断されます。
変形性頚椎症の治療法を教えてください
治療は症状の程度や生活への支障の度合いに応じて選ばれます。まずは保存的治療が基本となり、痛みの緩和や神経症状の改善を目指します。薬物療法としては、消炎鎮痛薬(NSAIDs)、筋弛緩薬、神経障害性疼痛に対応した薬(プレガバリンなど)が用いられます。理学療法では、首周囲の筋肉をやわらげる温熱療法やストレッチ、リハビリが行われます。生活指導として、姿勢の見直しや枕の高さの調整なども取り入れられます。
変形性頚椎症で手術が行われるのはどのようなときですか?
保存的治療を行っても症状が改善しない場合や、神経圧迫によって日常生活に大きな支障がある場合、または歩行困難・排尿障害などの脊髄症状が出ている場合には、手術が検討されます。手術の目的は、神経や脊髄への圧迫を取り除き、進行を食い止めることです。代表的な術式には椎弓形成術や前方除圧固定術などがあり、症状や圧迫の部位に応じて方法が選ばれます。手術の適応やリスクについては、脳神経外科や整形外科の専門医と十分に相談することが大切です。
変形性頚椎症は保存的療法や手術療法で完治しますか?
保存的療法で症状が改善・安定する方は多く、痛みやしびれがほとんど気にならなくなることもありますが、構造的な変形そのものをもとに戻すことは困難です。一方、手術療法では神経の圧迫を解除することで、しびれや筋力低下、歩行障害などの改善が期待されますが、すでに進行してしまった神経のダメージは完全には回復しないこともあります。
編集部まとめ

変形性頚椎症は、年齢とともに首の骨や関節がすり減って起こる病気です。首の痛みや肩こりから始まり、手足のしびれや力が入りにくくなることもあります。進行すると歩きにくくなったり、日常生活に支障が出たりすることもあります。
診断には、問診や診察に加えて、レントゲンやMRIなどの検査が使われます。治療は、薬やリハビリ、姿勢の工夫などで症状をやわらげる方法が中心です。重い症状があるときは手術が必要になることもあります。
この病気は、完全に治すことがむずかしい場合もありますが、早めに気付いて対処することで、悪化を防ぎやすくなります。首や肩のこり、手のしびれなどが続くときは、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
参考文献
変形性頚椎症 | 愛知医科大学病院
変形性頚椎症 | 東京慈恵会医科大学附属病院
頸椎症性脊髄症診療ガイドライン2020|日本整形学会・日本脊椎脊髄病学会

