
多摩川にかかる陸橋を電車が通過したとき、川の中から一瞬だけ人の頭が見えた。奇妙な光景が目に焼き付いてしまい、河川敷に向かったzinbei(@zinbei_info)さんのホラー漫画を紹介しよう。いずれも多摩川をテーマにした奇妙な話を描いている。短編ながらも、背筋がゾクリとするような話。結末の先を読者に委ねており、想像の幅が広がる。今回は本作を描いたきっかけや作品のテーマなどについて、zinbeiさんに話を聞いた。
■「目が合った瞬間、消えた…」多摩川に浮かぶ“頭”の正体を確かめに行った女性を襲う恐怖



舞台は、毎日乗っている通勤電車。その見慣れた窓の外に、ある日突然“人の頭”が浮かんでいた――。そんな不穏な導入から始まるのが、zinbeiさんによるホラー漫画「多摩川三篇」だ。
最初はただ、「気のせいかもしれない」と思っていた主人公だったが、なぜかその頭は通勤時でも帰宅時でも毎日見えてしまう。しかも、多摩川は人の肩まで浸かるほど深くない…。どうにも気になった彼女が河川敷へ向かうと、遠くから見えていた“それ”は、近くでも確かに存在していた。そして目が合った瞬間、ふっと消えてしまうのであった。
作者のzinbeiさんによると、一篇の冒頭に登場する“電車から見える多摩川”は、「会社員時代に実際に見ていたもの」だといい、「日ごろ利用する電車・何度も見ている風景に潜む“異常”を演出した」と明かしてくれた。さらに二篇では、「河川敷の雑木林に漂う“何があるかわからない未知性”にこだわった」と話す。三篇では、水面だけは何も変わらず流れ続ける多摩川と、時間に置き去りにされた人間たちの対比を意識したという。
派手な怪物や大きな悲鳴ではなく、「いつもの景色」がじわじわ壊れていく怖さ。読後、「あの川にも何かいるのでは」と思ってしまうような余韻が残る作品だ。気になった人は、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:zinbei(@tz036)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

