ペキ子さんは、夫の優一さんと2人暮らし。優一さんは公務員として働く次男で、イケメンかつやさしい性格の持ち主。ペキ子さんにとってはまさに完璧な夫です。
そんなペキ子さんは、幼いころから「完璧な母親」になることを夢見てきました。待望の妊娠がわかったペキ子さんは、自作の育児本をもとに生活を徹底管理。20時就寝や毎朝のスムージー、クラシック音楽を取り入れ、仕事も辞めました。会社の先輩から助言を受けた優一さんに育児本を捨てられても「自分は間違っていない」と証明しようとします。
出産後、ペキ子さんは、捨てられた育児本の内容を覚えていたことを優一さんに告げ衝撃を与えました。1年後、ペキ子さんは娘・カンちゃんの習い事やスケジュールを完璧に管理。優一さんのお出かけの提案は却下されてしまいます。
娘を有名大学に通わせようと張り切るペキ子さん。優一さんから「自分ができないのに子どもに求めるのは違う」と指摘されると、「自分も勉強している」と反論し、「覚悟が違うの」と言い放ちました。
意地になる妻









以前、優一さんに情報の根拠について指摘されたことをきっかけに、自身の育児方法や方針について、信頼できる情報源から調べて伝えていたペキ子さん。
習いごとについても、事前に優一さんの許可を得て進めており、一見すると反論の余地はありません。
そんな中、優一さんは思わず「カンちゃんが嫌だって言ったら、辞めさせてあげてほしい」と伝えます。しかしペキ子さんは、「勉強したくないなんて言う子はいない」と、強く言い返すのでした。
そのとき、ペキ子さんの脳裏には、自分が幼いころ母親から無理やり勉強をさせられていた記憶がよぎります。それでも、その思いを振り払うように、「勉強は楽しいもの。私がそう教えれば大丈夫」と自分に言い聞かせていました。
情報を調べ、子どもの将来を思って準備すること自体は、決して悪いことではありません。しかしペキ子さんの場合、自分が幼いころ母親から無理やり勉強をさせられていた記憶を抱えながらも、その痛みを見つめるのではなく、「勉強は楽しいものだ」と娘に教え込もうとしているようにも見えます。
親が過去に受けた経験や後悔を、無意識のうちに子どもへ重ねてしまうことはあるのかもしれません。けれど、どれだけ親が「正しい」と思っていても、実際に向き合うのは子ども自身。子どもの興味や「好き」という気持ちを置き去りにせず、その子の思いに耳を傾けながら関わっていきたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター ツムママ

