「肺がんの放射線治療」はどんな効果が期待できるがご存じですか?医師が解説!

「肺がんの放射線治療」はどんな効果が期待できるがご存じですか?医師が解説!

肺がんの治療において、放射線治療は手術と薬物療法とともに重要な役割を担っています。今回の記事では、肺がんに対する放射線治療の目的や意義、効果などを詳しく解説します。

木村 香菜

監修医師:
木村 香菜(医師)

名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

肺がんの放射線治療とは

肺がんの放射線治療とは

肺がんには、大きく分けて小細胞肺がんとそれ以外の非小細胞肺がん(扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん)があります。
非小細胞肺がんの場合には、診断された時点ですでに手術が難しいケースも多いです。実際に、手術での根治的な切除の対象となる方は全症例のうち3分の1程度にすぎないともいわれています。こういった理由からも、肺がんの治療における放射線治療の役割は大きいと考えられます。

肺がんの放射線治療の概要

放射線治療には、肺がんを完全に治すことを目的とした根治照射、手術後の再発を予防するための術後照射、さらに肺がんが骨や脳などに転移した場合に現れる症状を和らげるための緩和照射があります。

肺がんの放射線治療の方法

肺がんの放射線治療には、いくつかの方法があります。放射線治療に使用される放射線には、X線と粒子線があります。多くの病院では、X線治療が行われています。そのため、以下では主に高エネルギーX線による治療について述べていきます。

肺がんの場合には、身体の外から放射線を当てる外部照射が一般的です。
非小細胞肺がんに対する根治的な照射の場合、1日1回、2Gy(グレイ)の放射線を30回程度、もともとの肺がん病変とリンパ節に転移した部分、リンパ節転移しやすい範囲などに対して当てていきます。

小細胞肺がんの場合には、がんの増殖スピードが早いことなどもあり、1日2回、45Gy/30回/3週間がすすめられています。治療効果があった方に対しては、脳に対して予防的に25Gy/10回相当、2週間程度の照射も行われます。

肺がんが早期の段階の場合、定位放射線治療が保険適用となるケースもあります。定位放射線治療は、がんに対してピンポイントで高エネルギーX線を照射する方法です。複数の方向から照射を行い、48Gy/4回、50Gy/5回、60Gy/8回、45Gy/3回など、患者さんの状態やがんがどこにあるかなどによって回数や線量が決められていきます。

また、2024年6月から、早期肺がんに対して重粒子線治療が保険適用となっています。

肺がんの治療法として放射線治療が選択されるケース

肺がんの治療法として放射線治療が選択されるケース

肺がんの治療法には、放射線治療のほか、薬物療法や手術などがあります。
根治的放射線治療の適用となるケースには以下のようなものがあります。

肺がんそのものもリンパ節転移も進行しているもののリンパ節転移が肺がんと同じ側の肺門部に留まる症例

高齢であったり持病があったりするために手術困難と判断された早期肺がん症例

このように、がんの進行度や患者さんの状態に合わせ、治療方針が決定されます。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。