「肺がんの放射線治療」はどんな効果が期待できるがご存じですか?医師が解説!

「肺がんの放射線治療」はどんな効果が期待できるがご存じですか?医師が解説!

ステージ別|肺がんの放射線治療で期待できる効果

ステージ別|肺がんの放射線治療で期待できる効果

ステージ毎に治療方針や期待できる効果が異なります。

ステージⅠ

ステージⅠは、リンパ節や他臓器への転移がないか、がんが小さい状態です。この段階では、標準的な手術が困難な患者さんに対しては放射線のみでの治療が選択されます。
特に、がんが心臓や大血管などから離れており、可能な場合には定位放射線治療の適用もあります。また、陽子線や炭素線などの粒子線治療も選択肢の一つとして挙げられます。

肺の末梢にあるステージⅠの非小細胞肺がんに対する定位放射線治療の治療成績に関して、3年生存率が70〜80%とする報告もあります。

ステージⅡ

ステージIIの肺がんは、ステージIよりは進行しているものの、リンパ節転移がまだ肺と同じ側の肺や縦隔(左右の肺に囲まれた空間)に留まっている状態です。
ステージIIの肺がんに対しては、基本的には手術が適用となります。しかし、年齢などによって手術ができない場合には、放射線照射のみでの治療が行われることもあります。
放射線治療は60Gy/30回が基本となります。効果を高めるため、可能な場合には薬物療法を組み合わせることが一般的です。

肺尖部(はいせんぶ;肺の上の方の尖っているような形の部分)で胸壁に浸潤しているがんの場合、手術の前に薬物治療と放射線治療(化学放射線治療)を行うことがあります。
国内での術前化学放射線療法後に手術を行う治療に関する臨床試験では、5年全生存率は約60%と報告されています。

ステージⅢ

ステージIIIは、肺がんが横隔膜や心臓などの重要な臓器へ浸潤したり、がんとは反対側の縦隔や肺門部、もしくは鎖骨の上のリンパ節への転移がみられたりする状態です。
ステージIIIの場合、手術が困難な状態であることも多いです。そのため、根治的な放射線治療が標準的な治療法となります。プラチナ製剤をはじめとした薬物療法を組み合わせた化学放射線治療が推奨されています。

ステージⅣ

ステージIVは、脳や骨、肝臓、反対側の肺などへの転移がある状態です。
転移による骨折や痛み、頭痛、吐き気などの症状に対して、症状を和らげる目的での緩和照射が行われます。
脳転移に対しては、複数の転移がみられる場合には脳全体に放射線を当てる全脳照射が行われます。個数が小さく、サイズが小さい場合には、定位放射線治療が選択されることもあります。

肺がんの放射線治療計画

肺がんの放射線治療計画

肺がんに対する放射線治療計画は、以下のような流れで行われます。

診察

放射線治療専門医が、患者さんを診察し、画像検査などの結果も参考にして、放射線治療の適応があるか、具体的な治療方針を決めていきます。

治療計画

放射線治療を行うことになったら、治療計画が立てられます。治療計画用CTを撮影し、専用の装置を用いて放射線を当てる部位を決定します。専門医や物理師などが協力し、肺や食道、脊髄などの正常な臓器への放射線の線量が、基準以下となるように計画を立案します。患者さんがいつも同じように放射線の照射を受けられるようにするため、体幹部を固定するための固定具を作ることもあります。

放射線の照射

治療計画ができたら、基本的には毎日照射を行います。初日のみ、位置合わせなどのために少し時間が長めにかかることもありますが、基本的には照射時間は10〜30分程度です。
照射期間中、定期的に専門医の診察があります。著しく痩せて体型が変わったり、治療効果が現れ腫瘍が小さくなったりした場合は、再度CTを撮り治療計画を再度立案することもあります。

経過観察

照射期間が終わった後も、専門医による定期的な診察が行われる場合があります。治療効果の判定や、遅れて現れる副作用の有無などをチェックします。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。