隠れ貧血は、一般的な健康診断では見つかりにくく、日常生活に影響が出ていても気づかれにくい場合があります。慢性的な疲れや爪の変化、氷を食べたくなるといったサインを知ることが、早めの対応につながります。女性が日常生活のなかで取り組める予防策と、医療機関への相談のタイミングについてお伝えします。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
鉄分不足(隠れ貧血)と女性②:隠れ貧血のサインと日常生活での予防策
隠れ貧血は、一般的な健康診断では気づかれにくい場合があり、知らないうちに日常生活へ影響を及ぼしていることがあります。このセクションでは、隠れ貧血のサインと、女性が日常生活の中で取り組める予防策について解説します。
隠れ貧血でみられる体のサイン
隠れ貧血の症状はさまざまで、他の体調不調と区別しにくいことがあります。代表的なサインとして以下のようなものが挙げられます。
・慢性的な疲れやだるさ
・朝起きてもすっきりしない
・集中力が続かない、物忘れが増えたように感じる
・頭痛やめまい、立ちくらみ
・爪が割れやすい、スプーン状に反り返る
・皮膚や唇の乾燥・血色の悪さ
・髪の毛のコシがなくなった、抜け毛が増えた
・口角が切れやすい
・氷を無性に食べたくなる(異食症の一種)
これらの症状が複数当てはまる場合には、鉄分不足の可能性も考えられます。ただし、これらは他の疾患でもみられる症状であるため、自己判断だけで決めつけず、気になる場合には医療機関で相談することが大切です。
特に「氷を食べたくなる」という症状は、鉄欠乏との関連が知られており、医学的には「異食症」のひとつとして知られています。この症状がみられる場合には、鉄分不足の可能性も含めて医療機関へ相談することが勧められます。
女性が取り組める隠れ貧血の予防策
隠れ貧血を予防するために、日常生活のなかでできる工夫があります。赤身の肉や魚、レバー、大豆製品、緑黄色野菜などを毎日の食事に取り入れることが予防につながります。
また、ビタミンCを含む食品を鉄分と一緒に摂ることで、鉄の吸収を助けるとされています。たとえば、ほうれん草のサラダにオレンジドレッシングをかける、ほうれん草のおひたしにレモンをしぼる、小松菜のおひたしにかぼすをしぼるなど、日常の料理に少し工夫を加えるだけで取り入れやすくなります。
月経量が多い場合や月経不順がある場合は、婦人科へ相談することも大切です。月経の異常を放置すると、鉄の損失が続く可能性があるため、体の変化に早めに気づいて対応することが重要です。
医療機関への受診と定期的な血液検査の重要性
隠れ貧血は、自覚症状がはっきりしない場合があります。気になる症状がある場合や、鉄分不足が心配な場合には、血液検査が参考になります。健康診断に血清フェリチン値の測定が含まれていない場合には、医師に相談して追加で検査を検討することもあります。
内科・血液内科・婦人科などでは、鉄欠乏の状態に応じた検査と治療について相談できます。フェリチン値が低い場合は、食事指導やサプリメントの活用、必要に応じて鉄剤の処方が行われます。治療開始後は、必要に応じて血液検査を行いながら経過を確認します。
また、症状が改善しても、体内の鉄の貯蔵量が十分に回復するまでには時間がかかることがあります。「症状が楽になったから」と自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って継続的に管理することが大切です。体調の変化が気になる場合には、早めに医療機関へ相談することが勧められます。
まとめ
鉄分不足(隠れ貧血)は、見た目にはわかりにくいものの、日常生活に影響を与えることがあります。食事からの鉄分補給や適正量の把握、女性特有のリスクへの対策を意識することが大切です。疲れやだるさ、集中力の低下など気になる症状が続く場合には、医療機関で相談してみましょう。内科や婦人科など身近な医療機関への相談が、改善への第一歩につながります。
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」
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──────────── - 「貧血の男女別の基準値」はご存知ですか?数値別の症状も医師が徹底解説!
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